歌舞伎町路上で売春客待ち疑い ことし140人逮捕 去年の約2.7倍

東京 歌舞伎町の路上で売春の客待ちが問題になるなか、警視庁は、ことし1月から12月19日までに客待ちをしていた疑いで140人を逮捕したと発表しました。去年1年間のおよそ2.7倍に増加し、このうち4割はホストクラブなどでの飲食代金の返済や遊興費が目的だったということで、警視庁はホストクラブ側で売春を助長する行為がないか警戒を強めています。

東京 新宿区歌舞伎町の大久保公園の周辺では売春の客待ちが問題となっていて、警視庁はことし9月から集中的に取締りを行うなど対策を強化しています。

警視庁のまとめによりますと、ことし1月から12月19日までに売春の目的で客待ちをしていたとして逮捕された人は140人と、去年1年間のおよそ2.7倍に増加しました。

20代が106人と最も多く、全体の8割近くを占め、中には17歳もいたということです。

客待ちをしていた目的はホストクラブなどでの遊興費や飲食代をホストが立て替える「売掛金」の返済が多く、全体の43%にのぼっています。

なかには、ホストクラブに通い詰めるうちに高額な売掛金をつくってしまい、去年、同じ容疑で逮捕され、その後も客待ちを続けていた女性もいたということです。

歌舞伎町では売掛金の返済のため、女性に売春をそそのかしたとしてホストが逮捕される事件も起きていて、警視庁はホストクラブ側で売春を助長する行為がないか警戒を強めています。

公園周辺ではさまざまな対策も

売春の客待ちが問題となっている東京 歌舞伎町の大久保公園の周辺ではさまざまな対策が進められています。

公園に隣接し、病院などが入る東京都健康プラザ「ハイジア」によりますと、ことしに入り、施設の職員の女性が売春目的の客待ちと間違われて男性から声をかけられるなどの迷惑行為が確認されているということです。

このため、施設では先月から公園側の施設の出入り口を午後9時から翌朝にかけてバリケードやチェーンで封鎖し、客待ちとみられる女性がいれば退去を求めているということです。

また、警視庁も取締りとは別に
▽公園周辺でたむろする男性や女性に声をかけて、目的を確認したうえで移動するよう促したり
▽スピーカーを使って売春目的での客待ちや売春の相手方になることが法律で禁止されていることを周知したりしています。

今月8日にも警視庁の担当者が公園の周辺で立っている人たちに「きょうはどうしたんですか」とか、「ずっといるけど、どうしたの」などと声をかけ、待ち合わせの場合でも近隣の迷惑になったり、客待ちと間違われたりすることもあると伝えていました。

警視庁によりますと、こうした対策を強化した結果、今月はことし9月と比べて、公園周辺でたむろする人の数は1割ほどにまで減少したということです。

警視庁生活安全総務課の森田武人管理官は「近隣住民や自治体と連携して注意喚起の取り組みを進めていて、客待ちとみられる女性の姿が少なくなるなど、効果は出てきている。一般の人が安心して道を歩けるように、引き続き、対策したい」と話しています。