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個人保有の金融資産 過去最高更新 背景に来年の「NISA」拡充も
日銀が3か月ごとに公表する「資金循環統計」によりますと、個人が保有する預金や株式、保険などの金融資産は、ことし9月末の時点で2121兆円と去年の同じ時期より5%増え、過去最高を更新しました。
このうち
▽「株式など」は30.4%増えて273兆円
▽「投資信託」は17.4%増えて101兆円と
いずれも過去最高を更新しています。
株価の上昇を受けて、株式や投資信託の残高が大幅に増えたことが個人の金融資産全体を押し上げる形となりました。
調査にあたった日銀は、来年から税制優遇制度「NISA」が拡充されるのを前に投資への関心が高まったことも資産の増加につながったのではないかと見ています。
日本の個人金融資産は一貫して現金と預金の割合が高い状態が続いていますが、今回の調査で「現金・預金」は、1113兆円と去年の同じ時期より1.2%増え、個人金融資産全体に占める比率は52.5%となりました。
政府が貯蓄から投資へのシフトを後押しする中、個人が保有する現金や預金が今後どう動くのかが焦点となります。
NISA拡充を見据え 専用サイトで情報発信
NISAの拡充を見据えて、大手証券会社では、若い世代を中心に新たな顧客層を取り込もうと、投資に関する情報を専用サイトで発信しています。
このサイトでは、これまで投資経験がなかった人たちなどを顧客として獲得しようと、投資を始めた人の体験談などの記事を載せていてサイト上で株式などの購入もできるということです。
専用サイトには、月間で1000万を超えるアクセスがあるということで、11月からは、新たなNISAや投資信託の記事を集めたページを開設しました。
この会社がことし9月にインターネット上で行ったアンケート調査では、新たなNISAの利用について、「必ず利用したい」が37%、「できれば利用したい」が45%と、合わせて8割を超える人が利用したいという意向を示したということです。
サイトを運営する編集長で、SMBC日興証券デジタルマーケティング部の横山敦史 担当課長は「SNSを中心に関心度の高さを非常に感じている。楽しく学べるようなコンテンツ作りを心がけていきたい」と話しています。