政治

自民党二階派の小泉法相 派閥を離脱

小泉法務大臣は所属する自民党二階派の事務所が検察から捜索を受けたことから、今後の捜査に誤解を生じさせたくないとして、派閥を離脱しました。

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、東京地検特捜部は19日、政治資金規正法違反の疑いで強制捜査に乗り出し、安倍派と二階派の事務所を捜索しました。

二階派に所属する小泉法務大臣は検事総長への捜査の指揮権を持つことから、今後の捜査に誤解を生じさせたくないとして、20日、退会届を提出して受理され、派閥を離脱しました。

岸田総理大臣は先週、安倍派に所属する閣僚4人と副大臣5人らを交代させましたが、19日、二階派の小泉大臣と自見万博担当大臣の2人の閣僚は続投させる考えを示していました。

一方、小泉大臣はみずからと派閥の関わりについて、「適時適切に判断したい」と述べていました。

また、二階派に所属する中野英幸 法務政務官も派閥を離脱しました。

小泉法相「与えられた職責を全力で果たす」

小泉法務大臣は、衆議院議員会館の事務所で記者団に対し、「公平公正、厳正に法律に基づき行政を執行していくのが法務省なので、国民の誤解を招かないように派閥を退会した。退会は一時的なものとは思っていない」と述べました。

野党側が辞任を求めていることについては「誤解を招かないように退会したので、与えられた職責を全力で果たしていく」と述べました。

また二階派を離脱した中野英幸 法務政務官は「今回、小泉大臣と行動をともにした。引き続き職責を全うしていく」と述べました。

岸田首相「引き続き職責を果たしてもらいたい」

岸田総理大臣は20日夜、総理大臣官邸で記者団に対し「法務大臣は、厳正、公平、不偏不党の立場で法務行政の課題に臨んでもらっていると認識している。ただ検察当局を所管する立場から国民の誤解を招くことがないように本人の判断で、政策集団を離脱されたものと承知している。引き続き職責を果たしてもらいたい」と述べました。

また「安倍派の閣僚を全員交代させた一方で、二階派の閣僚を留任させていることの整合性をどう考えるか」と問われ「今月14日の人事も一人一人の事情や意向を踏まえ、さらには国民から疑念を招かないという点も踏まえて判断したものだ。清和会の政務三役の中にも引き続き、仕事を続けてもらっている人もたくさんいる。今後も一人一人の事情や意向を勘案し、国民の疑念を招かないという点も踏まえながら判断していく」と述べました。

さらに「二階派に所属する自見万博担当大臣に派閥の離脱を求める考えはあるか」と問われ「自見大臣も職責をしっかり果たしてもらっていると認識している。その上で政策集団との関係は、自身の事情なども踏まえて適切に判断されると考えている」と述べました。

林官房長官「政治家として判断 引き続き職責果たして」

林官房長官は、午後の記者会見で「国民の誤解を招くことがないよう、政策集団を退会したと承知している。政治家として自身で判断したもので、引き続き職責を果たしてもらえると認識している」と述べました。

一方、記者団から「派閥を離脱しても捜査に影響を与える疑念は払拭(ふっしょく)されないのではないか」と問われ、「検察当局は厳正、公平、不偏不党を旨に法と証拠に基づき適切に対処している。小泉法務大臣は法務行政の課題にしっかり取り組んでおり、職責を果たすことで国民の信頼確保に努めていくと考えている」と述べました。

野党各党 小泉法相の辞任要求で一致

安倍派と二階派の事務所の捜索を受けて、立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党、れいわ新選組、それに無所属の衆議院議員でつくる会派「有志の会」の国会対策委員長らが20日午後、会談しました。

そして、小泉法務大臣について、所属していた二階派を離脱したものの、検事総長への捜査の指揮権を持つ法務大臣の職を続けるのはふさわしくないとして、辞任を求めていくことで一致しました。

また、安倍派の座長の塩谷元文部科学大臣に加え、高木国会対策委員長ら歴代の安倍派の事務総長に対し、衆議院政治倫理審査会で説明するよう要求していくことを確認しました。

さらに、衆議院総務委員会など関係する委員会で閉会中審査を開催するよう求めていくことでも一致しました。

このあと、立憲民主党の安住国会対策委員長が、自民党の西村国会対策委員長代理に対し、野党側の要望を申し入れ、西村氏は総理大臣官邸や党執行部に伝える考えを示しました。

立民 安住国対委員長「岸田首相は早急に対応すべき」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「小泉法務大臣は、捜索が入った時点では二階派だったので、事前に捜査当局から連絡を受けていたのかなど聞きたいことがある」と述べました。

そのうえで「小泉大臣はその任にふさわしくなく、岸田総理大臣は早急に対応すべきだ。派閥を離脱したと言っても大臣を終えたらまた二階派に戻るのだろう。小泉大臣を置いたまま、通常国会を果たしてスタートできるかというと、野党各党はネガティブな反応で、そう簡単ではない」と述べました。

維新 藤田幹事長「二階派が交代しないのは納得できない」

日本維新の会の藤田幹事長は、記者会見で「小泉法務大臣が派閥を離れることで手じまいにしようということだと思うが、安倍派の政務三役だけを交代させ、同じように家宅捜索に入られた二階派が交代しないのは納得できない。岸田総理大臣は、人事の考え方を明確にしたほうがいい」と述べました。

自民 西村国対委員長代理「閉会中審査は捜査踏まえ考える」

自民党の西村国会対策委員長代理は記者団に対し「小泉法務大臣の件については強く申し入れがあったということを含め、総理大臣官邸と党執行部に速やかに伝えたい。 今捜査が進展している中であり、閉会中審査はそれを踏まえながら考えなければならない」と述べました。

自民 石破元幹事長「理屈がどうも通らないことがある」

自民党の石破元幹事長はBSフジの「プライムニュース」に出演し「安倍派だからということで閣僚を全部代えるというのはどうなんだろうと思った。人事権者がやることにわれわれがとやかく言ってはならないが、理屈がどうも通らないことがある。小泉法務大臣の場合、『法務大臣だから指揮権を持っており、派閥に属しているのはまずい』というのは理屈が通らないこともない。自見万博担当大臣の場合は法務大臣ではない。1つ1つに理屈を考えていくと何だかつじつまが合わなくなるが、最終的には人事権者の岸田総理大臣の判断と責任になる」と述べました。

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