NHK社会部記者 不正請求は410件789万円 歴代部長ら9人懲戒処分

NHK報道局社会部の記者が、私的な飲食を取材と称するなど、不正に経費請求していた問題でNHKが第三者委員会を設置して調査した結果、不正な経費請求は、あわせて410件、789万円となることがわかりました。

NHKは、歴代の社会部長3人や前報道局長などあわせて9人を、停職や減給などの懲戒処分にし「受信料で支えられているNHKの職員として許されない行為であり、視聴者の皆様に深くおわびいたします」としています。

NHK報道局社会部の30代の記者が、私的な飲食を取材と称するなど、不正に経費請求していた問題で、NHKは、外部有識者からなる第三者委員会を設置し、指導や助言を受けながら調査を進めた結果、不正な請求は、あわせて410件、789万円となることがわかりました。

また、別の記者2人について、取材目的の飲食ではあるものの、実際と異なる参加者を記載して申請するなどの不正も確認され、今後金額を確定させ、全額戻入させる方針です。

NHKは、飲食を伴う取材活動の経費請求の承認手続きで、内規を逸脱した運用を続けるなどそれぞれの立場での職責を果たさず、不正請求が繰り返される事態を招いたとして、▽現職を含む歴代の社会部長3人を停職1か月、▽前の報道局長を減給、▽歴代の社会部の庶務担当の基幹職5人をけん責の懲戒処分にしました。

さらに、歴代の社会部長3人については、19日付けで、現在の職を解きました。

また、当時報道局長を務めた▽小池英夫専務理事と▽根本拓也理事の2人に対し、会長から厳重注意を行い、役員2人は1か月分の報酬の10%を自主返納することを申し出ました。

NHKの調査報告書では「報道局の各部長に与えられた部局の裁量と組織の統制の、バランスがとれた体制を構築する責任が果たされていなかったという構造問題に真の原因がある」と指摘しています。

社会部の30代の記者は11月、すでに懲戒免職となり、NHKは今後、全額を弁済させる方針です。

NHKは「受信料で支えられているNHKの職員として許されない行為であり、報道という中核において、取材と称した不正な経費請求が行われていた事は、NHKに対する信頼を大きく損ねるもので、視聴者の皆様に深くおわびいたします。今回の事案を深く反省し、管理監督を徹底するなど再発防止策に取り組んでまいります」とコメントしています。