日本製鉄 橋本社長 米大手買収合意 “日本の成長力強化に”

アメリカの大手鉄鋼メーカー、USスチールの買収を発表した日本製鉄は19日、記者会見を開き、橋本英二社長はアメリカでの事業の拡大が日本の成長力の強化につながるという姿勢を示しました。

日本製鉄は18日夜、アメリカの大手鉄鋼メーカー、USスチールを買収することで両社の間で合意し、関係当局などの承認をへて来年4月から9月までの間に子会社化すると発表しました。

買収額はおよそ2兆円にのぼる見通しで、実現すれば、日米の鉄鋼大手どうしの大型再編となります。

日本製鉄の橋本英二社長は19日、オンラインで記者会見を開き「アメリカは先進国で最も大きな市場で成長が見込める。世界をリードしていくことでひいては日本の成長力を取り戻すことになる」と述べ、アメリカでの事業の拡大が日本の成長力の強化につながるという姿勢を示しました。

そのうえで、鉄鋼業界で課題となる二酸化炭素の排出削減に関連し「両社の技術の強みを持ち寄ることで脱炭素を加速できる」と述べました。

一方、今回の発表をめぐりアメリカの鉄鋼業界の労働組合、USWが買収を非難する声明を出したことについて、「一つ一つ丁寧に対話していきたい」と述べました。

齋藤経済産業相「グローバル市場でいっそうの成長を期待」

日本製鉄が、アメリカの大手鉄鋼メーカー「USスチール」を買収することで両社の間で合意したと発表したことに関連して、齋藤経済産業大臣は、閣議のあとの会見で「日本製鉄には、わが国の鉄鋼業のリーディングカンパニーとして思い切った脱炭素化投資にも挑戦しつつ、グローバル市場でのいっそうの成長を期待したい」と述べました。