日本とASEAN首脳会合 “脱炭素化の取り組みをリード”岸田首相

日本とASEAN=東南アジア諸国連合が連携してアジア地域の脱炭素化を目指す首脳会合が初めて開かれ、岸田総理大臣は、日本の技術力などを生かしながら取り組みをリードしていく考えを示しました。

「AZEC=アジア・ゼロエミッション共同体」と呼ばれる首脳会合は、岸田総理大臣が提唱したもので、18日、総理大臣官邸でASEAN各国の首脳らが出席して初会合が開かれました。

この中で岸田総理大臣は「脱炭素はアジアの共通課題で、解決のかぎはイノベーションだ。『AZEC』の立ち上げはアジアに世界から資金を引き付ける新たな『巨大脱炭素市場』を生み出す」と強調しました。

その上で「日本は先頭に立って、技術開発や法制度の整備を進めていく」と述べ、アジアの脱炭素化の取り組みをリードしていく考えを示しました。

そして会合では、脱炭素化には各国の実情に応じた多様なアプローチが必要だとして、経済成長やエネルギー安全保障の確保とも両立を図りながら実現を目指す方針を確認しました。

また、各国の政策立案や調査などを支援するため、インドネシアに構想の中核機関となる「アジア・ゼロエミッションセンター」を発足させるとともに、各国の有識者らによる「賢人会議」を設置することで合意しました。

岸田首相「次の50年に向け歩みを進めたい」

岸田総理大臣は18日夜、総理大臣官邸で記者団に対し「日本とASEANがそれぞれの強みを持ち寄って成長し、平和と繁栄に貢献していく、人間の尊厳を大切にしていく姿勢を確認した会議だった。次の50年に向けて歩みを進めていきたい」と述べました。