郵便 手紙とはがきを値上げの方針 実施なら30年ぶり 総務省

郵便の利用の減少が続くなか、総務省は、手紙とはがきの値上げを行う方針を示し、審議会での議論が始まりました。
方針案では手紙は84円から110円となり、実施されれば消費税率の引き上げを除き30年ぶりの値上げとなります。

手紙とはがきの値上げについて総務省が18日、審議会に示した方針案では、定形郵便物の手紙のうち重さ25グラム以下の料金を今の84円から110円に値上げするとしています。

値上げの実施は来年秋を念頭にしていて、実施されれば消費税率の引き上げを除き、1994年以来30年ぶりとなります。

また、重さ50グラム以下の手紙は今の94円から110円に、はがきは63円を85円にそれぞれ値上げする方針で、レターパックや速達なども値上げを検討するとしています。

このうち、重さ25グラム以下の手紙の値上げは、省令の改正が必要となることから、審議会の議論のほか、消費者庁との協議や関係閣僚会議の議論などの手続きが進められることになります。

また、総務省は、郵便事業の収支の見通しについて、値上げを行わない場合、営業赤字の額が2027年度に3000億円を超える規模に拡大する試算を明らかにしました。

郵便の利用の減少が続くなか、日本郵便としては、郵便事業の維持のために業務の効率化をさらに進めていくことが課題となります。

値上げ検討の背景に“郵便事業の赤字”

値上げの方針案にあたって総務省は、郵便事業の収支の試算を公表しました。

日本郵便が行う郵便事業の営業損益は昨年度、211億円の赤字となり、2007年の民営化以降で初めて赤字となりました。

さらに今年度は919億円の赤字となる見通しです。

総務省が示した試算によりますと、今回値上げを行わなかった場合、郵便事業の営業損益は、
▽2027年度には3050億円の赤字に、
▽2028年度には3439億円の赤字になるとしています。

その一方で、値上げを行った場合でも、
▽2025年度には67億円の黒字になるものの、
▽2026年度には再び400億円の赤字に転じ、
▽2028年度には赤字額は1232億円に拡大すると試算しています。

国内郵便 ピークと比べて45%減少

その背景にあるのは郵便の利用者の減少です。

国内郵便は2001年度の262億通をピークに減少傾向が続いています。

昨年度は144億通で、ピークと比べて45%の減少となっています。

日本郵便としてはこれまでも普通郵便の土曜日の配達を廃止するなど業務の効率化を進めてきましたが、昨年度の営業費用のうち人件費が66%を占めるなど収支の改善が難しい構造的な課題を抱えています。

郵便事業の維持に向けては、どのように業務の効率化を進めていくかや、事業の維持のあり方についても今後、議論となりそうです。