【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(12月18日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる18日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ東部で激戦続く ロシア軍1日で27回の攻撃

ウクライナ軍参謀本部は18日、ロシア軍が東部ドネツク州の拠点、アウディーイウカを包囲しようと周辺地域で攻撃を繰り返し、その数は1日であわせて27回に上ったと明らかにしました。

イギリス国防省は15日の分析でアウディーイウカから南西およそ30キロのマリインカとその周辺でロシア軍が攻め込んでいると指摘していて、ドネツク州の前線で激しい戦闘が続いているもようです。

こうした中、ロシア政府は18日、ミシュスチン首相が19日から2日間の日程で中国を訪問し、習近平国家主席や李強首相と会談すると発表しました。

会談では両国の経済協力の拡大を目指すとしています。

中国にはプーチン大統領がことし10月に訪問したばかりで、欧米との対立を深める中でプーチン政権としては中国との関係強化を一層進めたい考えです。

中国外務省の汪文斌報道官も18日の記者会見で「今回の会談で双方は2国間関係と実務協力、それにともに関心を寄せる問題について踏み込んだ意見交換を行う」と述べ、協力関係の強化に期待を示しました。

ロシア大統領選へ政権与党 プーチン大統領支持 全会一致で決定

ロシアのプーチン大統領は12月8日、来年3月の大統領選挙に立候補する意向を表明しました。無所属で立候補する方針です。

こうしたなか17日、与党「統一ロシア」は党大会を首都モスクワで開き、党首のメドベージェフ前大統領は「万全の準備で大統領選挙に臨まねばならない。プーチン大統領の勝利が完全に正当であり、議論の余地がないものにしなければならない」と述べ、党としてプーチン大統領を支持することを全会一致で決定しました。

このあと演説したプーチン大統領は、ウクライナへの軍事侵攻に参加する兵士らをたたえるとともに、欧米への批判を繰り返した上で、「どんな困難な課題に対してもわれわれは結束し、対応しなければならない」と述べ、みずからのもとでの結束を訴えました。

一方、今回の大統領選挙でプーチン政権は軍事侵攻によって一方的な併合を宣言したウクライナの4つの州でも選挙だとする活動を強行するかまえです。

これについてイギリス国防省は17日「侵攻の正当性を示すためにも、ロシア当局が『正しい』とする結果を確実に出すだろう。プーチン大統領を圧勝させるため不正や有権者への脅迫などの手法を使うことは確実だ」と警告しています。

ウクライナのサッカーチームがアビスパ福岡と慈善試合

ウクライナの強豪サッカーチームが来日し、18日夜、ウクライナの復興支援につなげるための慈善試合が国立競技場で行われます。

日本を訪れているのは、ウクライナのプロサッカーチーム「シャフタール・ドネツク」です。

ウクライナのプロサッカーリーグ「プレミアリーグ」で14回優勝し、ヨーロッパチャンピオンズリーグなどにも出場経験がある強豪です。

本拠地は、ウクライナ東部のドネツクですが2014年の紛争後、拠点を移すことを余儀なくされ、さらにロシアによる軍事侵攻を受けて、現在は、首都キーウや西部リビウなどを拠点に活動を続けています。

慈善試合は18日午後7時から国立競技場で行われ、11月、Jリーグカップで初優勝を果たした「アビスパ福岡」と対戦します。

試合で得た収益は、経費をのぞいた全額がウクライナでの復興支援にあてられるということです。

試合を前に、17日夜、都内で記者会見に臨んだキャプテンのステパネンコ選手は、前日にチームで働いていた人が死亡したことを明かしたうえで「毎日、この戦争で人々が亡くなっている。厳しい状況に置かれた人々を支援し、助けるためにも、この慈善試合は非常に重要だ。ベストを尽くし、もちろん観客の皆さんには楽しんでもらいたい」と抱負を述べました。