スケートボード ストリート世界選手権 男女ともに金メダル獲得

スケートボード、ストリートの世界選手権、男女の決勝が行われ、東京オリンピック代表の白井空良選手が金メダルを獲得するなど男子は日本勢が表彰台を独占し、女子も織田夢海選手が金メダルを獲得し、日本勢が世界トップレベルの実力を示す結果となりました。

東京江東区の有明コロシアムで行われたスケートボード、ストリートの世界選手権は、パリオリンピック代表が決まる世界ランキングのポイントが得られる国際大会の1つです。

ストリートは、階段やレールなどが設置されたコースで、45秒間滑って技を何度も繰り出す「ラン」を2回、1回の技で勝負する「ベストトリック」を5回行い、それぞれの得点の高い3回の合計で競われます。

男子・白井選手が世界選手権で初の金

大会最終日の17日は男女それぞれ8人で争われる決勝が行われ、このうち男子の決勝には、日本勢4人が進出し、このうち東京オリンピック代表で、22歳の白井選手は前半のランで、オリジナル技の「空良グラインド」を決めて2位につけました。

そして、得意のベストトリックでは、1回目にボードを横回転させながら板の後ろの部分を滑らせ、さらに横回転して着地する大技を決めて、95.66の高得点をマークし、合計276.81で世界選手権で初の金メダルを獲得しました。

また、20歳の根附選手は、ボードを裏表に回す得意の「ヒールフリップ」を使った技を駆使して銀メダルを獲得しました。

そして、東京オリンピック金メダリストの堀米選手は、ベストトリックで270度回ってから先端部分を滑らせ、さらに270度回転して着地するオリジナルの大技「ユウトルネード」を決めて、この日の最高得点となる95.77をマークして銅メダルを獲得しました。

パリオリンピック代表が決まる世界ランキングのポイントが得られる今回の世界選手権の結果、最大3人が出場できるストリート男子の日本勢のオリンピック代表争いは、トップが白井選手、2番手に今大会6位の小野寺吟雲選手がつけ、3番手に根附選手、わずかな差で、堀米選手が4番手となっています。

白井空良選手「すごくうれしい 信じられない」

金メダルを獲得した白井空良選手は「この大会にかけていたので、すごくうれしいし、信じられない気持ちだ」と話しました。

そして、9位に終わった東京オリンピックを踏まえ「東京では人生で一番悔しい思いをした。それを晴らす場所はパリしかないと思うので、それに向けて頑張りたい」と意気込みを語りました。

また、銀メダルを獲得した根附海龍選手は「パリオリンピックの選考大会で初の表彰台なので、素直にうれしい。今回で世界に通用するとわかったので、これからもっと新しい技を練習して、1位が取れるように頑張りたい」と話していました。

銅メダルだった堀米雄斗選手は「最近はいい結果が出ていなかったので、3位という結果にはほっとしている。この調子で自分のレベルを上げて、次の大会でも頑張りたい。日本のレベルも上がっているので、ベストを尽くして結果を残していきたい」と話していました。

女子も織田選手が世界選手権で初めて金

日本選手5人が進出した女子の決勝は、織田選手が苦手とする前半のランでスピードに乗った滑りから多彩な技を成功させてトップに立ちました。

そして、ベストトリックでは、4回目でボードを裏表に回したあとに後輪の車軸部分を滑らせる「キックフリップフィーブルグラインド」という大技を決めて、94.80の高得点をマークしました。

織田選手は合計265.75として世界選手権で初めての金メダルを獲得しました。

また、東京オリンピック金メダリストの西矢選手はランで安定した滑りを見せて、合計245.76で銅メダルを獲得し、初めての自国開催の世界選手権で日本勢が世界トップレベルの実力を示す結果となりました。

このほかの日本勢は、吉沢恋選手が5位、赤間凛音選手が6位、中山楓奈選手が7位でした。

織田夢海選手「日本で初開催 優勝とてもうれしい」

スケートボード女子ストリートで初めての世界選手権金メダルを獲得した織田夢海選手は「日本で初開催の世界選手権で優勝できたのでとてもうれしい。ベストトリックでは連続で失敗して焦った部分もあったが、4回目で決められて高得点が出せてよかった。頑張ればこういう結果がついてくるし、ことし最後の大会で優勝して終われてよかった」と笑顔で喜びを語りました。

また、銅メダルを獲得した西矢椛選手は「準決勝よりはいい滑りができて3位になれたのでよかった。これからパリオリンピックの選考大会でポイントを重ねて、代表の3枠に入れるよう頑張りたい」と話していました。

パリオリンピック代表選考の詳細が発表

スケートボードの国際競技団体、「ワールドスケート」がパリオリンピック代表選考の詳細を発表し、来年の予選シリーズで高いポイントが与えられることになったため、激しい代表争いは本番直前まで続く見通しとなりました。

ワールドスケートの発表によりますと、来年3月までの期間を「フェーズ1」として、それまでの対象となる国際大会で与えられるポイントに基づく世界ランキングで、「ストリート」と「パーク」それぞれの種目で男女44人ずつが選出されます。

この中では各国・地域で上位6人までという上限があり、代表争いをする日本選手は、「フェーズ1」の終了時点で日本勢の上位6番手以内に入る必要もあります。

そして、44人に選ばれた選手は、「ストリート」では順位の高い4大会分、「パーク」では3大会分のポイントを持ち越して、「フェーズ2」に進みます。

「フェーズ2」では、来年5月に中国で、6月にハンガリーで、行われるIOC=国際オリンピック委員会が新たに導入したアーバンスポーツの予選シリーズが予定されています。

この予選シリーズで得られるポイントは「ストリート」では、優勝した選手が26万ポイント、「パーク」では21万ポイントと、それぞれの世界選手権の優勝者の8万ポイントに比べて大幅に高いポイントが与えられることが決まりました。

パリオリンピックに出場できるのは、各国・地域で各種目最大3人までとなっていて、日本勢は特にストリートで激しい代表争いがオリンピックの本番直前まで続く見通しとなりました。