全国4つの都道府県の警察がホストクラブに一斉に立ち入り

ホストクラブを利用した客の女性が高額な料金を請求され、それをホストが立て替える「売掛金」の返済をめぐるトラブルが相次いでいる問題で、全国の4つの都道府県の警察が15日夜、繁華街のホストクラブに一斉に立ち入りを行いました。

ホストクラブをめぐっては、高額な料金を客の女性に請求したうえで、「売掛金」などの名目で、ホストが立て替えた料金を女性に売春をさせて返済させるなど、悪質なケースが相次いでいるとして、警察庁は先月、全国の警察本部に対して取締りの強化を指示する通達を出しました。

15日夜は、東京、北海道、大阪、愛知の4都道府県の警察が、営業実態の把握のために繁華街のホストクラブに一斉に立ち入りを行いました。

このうち、およそ300店舗のホストクラブが立ち並ぶ東京 新宿の歌舞伎町では、警視庁の捜査員およそ130人が一斉に立ち入りを行い、事前の届け出のとおりに適切に営業されているか点検していました。

警察庁によりますと、先月16日の通達以降14日までに、宮城や神奈川、京都など少なくとも10以上の府と県で警察の立ち入りが行われ
▽店内に料金を表示していなかったり
▽18歳未満の立ち入りを禁止する表示をしていなかったりする違反行為が確認されたということです。

警察は「売掛金」をめぐって違法な行為が確認されるなど悪質なホストクラブに対して取締りを強化しています。

歌舞伎町でホストクラブ被害防止を呼びかけ

新宿 歌舞伎町でホストクラブを利用した客の女性が高額な料金を請求されるケースが相次いでいることをうけて、都の職員らが被害の防止を呼びかけました。

この呼びかけは、15日夜、ホストクラブが多く集まる新宿 歌舞伎町で、東京都や警視庁、それに新宿区の職員が行いました。

悪質なホストクラブなどでは、客の飲食代金を店やホストが立て替えて後から「売掛金」として請求し、女性が返済のため風俗店で働かされたり売春を指示されたりするケースが相次いでいます。

15日は都の職員らが、相談窓口の連絡先を貼り付けた使い捨てカイロや、脅迫的な取り立てなどの被害事例について紹介したチラシなどを配っていました。

都の担当者は「被害に遭った本人や家族から、高額な売掛金でトラブルになっているというような相談が寄せられている。周知することで、危険性を知ってもらい、困ったことがあれば、チラシの相談先を利用してほしい」と話していました。