音楽家 坂本龍一さん携わった現代アートから足跡たどる展覧会

ことし3月に亡くなった音楽家の坂本龍一さんが制作に携わった現代アートから、その足跡をたどる展覧会が東京で始まるのを前に、メディア向けの内覧会が行われました。

ことし3月に71歳で亡くなった坂本龍一さんは、音楽活動に加えて現代アートの分野でも活躍したことで知られ、都内で16日から開かれる展覧会では坂本さんが携わるなどした、ゆかりの11点の作風からその功績を振り返ります。

このうち、電磁波を観測するアンテナとスクリーンを接続した「センシング・ストリームズ 2023ー不可視、不可聴」は現代アートの作家、真鍋大度さんと共同で制作しました。

ダイヤルを操作することで電磁波のうねりや強さをグラフィックでスクリーンに表示し、観賞した人が目に見えない存在を意識するという、坂本さんのねらいが作品の元になっています。

また「Playback 2022」は現代アートの作家集団「ダムタイプ」と制作した17枚組のレコードで、ニューヨークや北京など世界17の都市の街頭で録音した電車が走る音や食器が触れる音などが、収録されています。

街なかの騒音も音楽として捉えていた坂本さんの姿勢が反映されているということで、会場ではレコードの再生も行われています。

展覧会を開く文化施設の畠中実主任学芸員は「坂本さんが音楽と美術の枠組みを越えて、ジャンルにとらわれない大きな表現を目指していたことを作品から感じてほしい」と話していました。

この展覧会は、東京 新宿区の「NTTインターコミュニケーション・センター」で、来年の3月10日まで開かれています。