台湾総統選 中国当局から“支持”求める接待か 「里長」を拘束

来月投票が行われる台湾総統選挙に関連して、地域密着の住民サービスを担う行政単位のトップらが、中国当局者から最大野党の国民党を支持するよう求める接待を受けた疑いが強まり、台湾の検察が中心メンバー1人の身柄を拘束しました。

台湾の基隆地方検察署の調べによりますと、基隆市内の地域密着の住民サービスを担う行政単位のトップである「里長(りちょう)」ら30人余りが先月、中国 山東省を旅行しました。

費用のほぼ全額を中国側が負担し、関係者によりますと、宴会で中国当局者が「国民党は身内だ。身内を支持すべきだ」とか「民進党を支持しないように」などと述べたということです。

里長の1人が中国当局の委託を受けて旅行参加者を集めたということで、検察は、不正な利益を供与して投票権の行使や不行使を求めることを禁じた法律に違反した疑いが強まったとして、この里長の身柄を14日拘束しました。

台湾各地の里長が中国で同様の接待を受けたとされるケースが相次いで発覚していて、民進党政権は、中国当局が里長を取り込んで台湾の有権者の投票行動に影響を与えようとしていると見ています。

一方、台湾の中央選挙委員会は15日、総統選挙の候補者の名簿を公告しました。16日から正式な選挙活動期間に入ります。

中央選挙委員会の李進勇主任委員は「選挙に関する間違いや偽の情報がネットで多く流れている」として注意を呼びかけました。