インフルエンザ患者数 さらに増加 1医療機関当たり30人超に

全国の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、今月10日までの1週間で1医療機関当たり33.72人と前の週からさらに増加し、今シーズン初めて30人を超えました。1医療機関当たりの患者数が30人を超えるのは過去10年で最も早く、専門家は「今シーズンは流行のピークが例年に増して高くなることが懸念される」として対策を呼びかけています。

1医療機関当たりの患者数が30人を超えるのは今季初

国立感染症研究所などによりますと、今月10日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は16万6690人で、前の週から3万4573人増加しました。

また、1医療機関当たりでは前の週から7人多い33.72人となりました。

1医療機関当たりの患者数が「警報レベル」とされる30人を超えるのは今シーズン初めてで、過去10年で最も早くなっています。

データを基に推計されるこの1週間の全国の患者数はおよそ111万8000人となっていて、ことし9月4日以降の累積の患者数はおよそ800万3000人と推計されています。

都道府県別に見ますと、
▽北海道が60.97人
▽宮城県が57.49人
▽大分県が53.71人
▽宮崎県が49.64人
▽三重県が47.49人
など33の道と県で「警報レベル」の30人を超えているほか、
▽大阪府で22.2人、
▽東京都で20.3人
などとなっていて、沖縄県を除く13の都府県で「注意報レベル」の10人を超えています。

「流行のピーク 例年に増して高くなることが懸念される」

感染症に詳しい東邦大学の舘田一博教授は「増加傾向は今後も続くと予想され、今シーズンは流行のピークが例年に増して高くなることが懸念される。高齢者や基礎疾患のある人など重症化のリスクが高い人の感染をできるだけ抑えられるよう、周囲の状況に応じてマスクの着用などの感染対策を取ってほしい」と話しています。