欧米側の軍事支援「終わりつつある」 プーチン大統領が主張

ロシアのプーチン大統領は14日に行った年末の記者会見などのイベントで、ウクライナに対する欧米側の軍事支援について「終わりつつある」とした一方で、ロシア側は60万を超える兵力を展開するなど有利な情勢だと強調しました。

ロシアのプーチン大統領は14日、年末の記者会見と国民からの質問に答えるイベントを行いました。

この中でプーチン大統領は、ウクライナへの軍事侵攻について「ロシアが目標を達成すれば平和が訪れる。目標は変わっていない」と述べウクライナの「非軍事化」などを目標に侵攻を続ける姿勢を改めて示しました。

そしてプーチン大統領は、ウクライナに対する欧米側の軍事支援について「いずれ終わるだろうし、終わりつつあるようだ」とした一方で、ロシア側についてはおよそ62万の兵力を展開するなど有利な情勢だと強調しました。

今回プーチン大統領は、4時間余りにわたって外国メディアの記者や前線で戦っている兵士、それにロシア各地の住民からの質問に答えました。

プーチン大統領としてはウクライナで戦死する兵士が増えていることが国民の間にも知られるなか、戦況が好転していると強調し、軍事侵攻の長期化に対する理解を得たいねらいもあったとみられます。

ウクライナ大統領府顧問は強く批判

ロシアのプーチン大統領が年末の記者会見で「ロシアが目標を達成すれば平和が訪れる」などと述べたことについて、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は14日、SNSに「プーチン大統領は戦争を続け、殺りくと征服を続けることをまたも表明した」と投稿し強く批判しました。

その上で「プーチン大統領に民主主義陣営は抵抗の準備ができておらず、待っていればいずれ妥協が成立すると希望を持たせるのはやめなければならない。すべては白か黒で、それ以外にはない」と書き込み、ウクライナが戦い続ける姿勢を強調しました。

AI作成の“プーチン大統領”が質問「影武者がいるのは本当か」

プーチン大統領が国民からの質問に答えるイベントでは、ロシアの大学生がAI=人工知能で作成したというプーチン大統領の映像から質問される場面がありました。

プーチン大統領の映像は、本人に対し「あなたには影武者が何人もいるというのは本当ですか。また、私たちの暮らしにAIがもたらす危険についてどう思いますか」と問いかけました。

これに対しプーチン大統領は「私に似せて、私の声で話す人はただ1人にすべきだと決めた。それは私にする」と応じました。

そのうえで「これが私の最初の影武者だ」と述べ、プーチン大統領には「影武者」がいるのではないかといううわさが絶えないなか、冗談めかして答えた形です。

またAIがもたらす危険については「AIの発展は止められない」としたうえで「人類に危険をもたらすような状況を生まないようトップの間で話し合うことが必要だ。核エネルギーが核爆弾になり、保有国の脅威となることが理解されたときに話し合いが始まった。おそらくAIもそうなるだろう」と述べました。

エネルギー輸出「日本は拒絶せず受け取っている」

またプーチン大統領は、ロシアからの天然ガスなどエネルギー輸出についての発言のなかで日本にも言及し「日本は拒絶せずに受け取っている。今後もそれを続けていこう。われわれは気にしない」と述べ、日本へのエネルギー供給の継続に期待を示しました。