EU首脳会議 ウクライナと加盟交渉始めることで合意

EU=ヨーロッパ連合の加盟国は首脳会議を開き、ウクライナとの加盟交渉を始めることで合意しました。EUはロシアによる軍事侵攻が続くウクライナにEU加盟への道を開くことで、今後も支える姿勢を示した形です。

EUは14日ベルギーで首脳会議を開き、ウクライナとの加盟交渉を始めることで合意しました。

加盟交渉を始めるには全会一致の決定が必要で、首脳会議の直前までハンガリーのオルバン首相が「ウクライナはまだ前提条件を満たしていない」と述べるなど反対していました。

記者団の取材に応じたアイルランドのバラッカー首相によりますと、交渉開始の決定は、オルバン首相が一時的に会議場から退出し残る26か国の首脳によって決める異例の形で行われたということです。

オルバン首相はSNSで「ウクライナとの加盟交渉の開始は間違った決定だ。ハンガリーはこの決定に加わりたくはなかった」と説明しました。

また、首脳会議ではウクライナの隣国モルドバとの加盟交渉の開始でも合意しました。

記者団の前に姿を見せたEUのミシェル大統領は「歴史的な瞬間だ。力強い政治的な決定だ」と成果を強調したほか、ウクライナのゼレンスキー大統領もSNSに「ウクライナとヨーロッパ全体にとって勝利だ」と投稿しました。

ロシアによる軍事侵攻が長期化し、アメリカのウクライナ支援の先行きにも不透明感が増す中、EUは加盟への道を開くことでウクライナを今後も支える姿勢を示した形です。