ヨーロッパ中央銀行は14日、本部があるドイツのフランクフルトで金融政策を決める理事会を開き、主要な政策金利を現在の4.5%のまま据え置くことを決めました。
金利の据え置きは、前回、ことし10月の会合に続いて2回連続です。
ユーロ圏の先月の消費者物価指数は、去年の同じ月と比べて2.4%の上昇と2年4か月ぶりの低い水準となり、インフレ率はヨーロッパ中央銀行が目標とする2%に近づいています。
一方、ユーロ圏経済は1年以上にわたった利上げで個人消費や企業活動が停滞し、ドイツなどで景気の不透明感が強まっています。
ヨーロッパ中央銀行は、こうした経済の現状にも配慮して金利を据え置き、金融引き締めの影響を見極める判断をしたとみられます。
今後については声明で「引き続きデータをもとに金融引き締めの適切な水準と期間を決定する」としています。
ただ、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が13日まで開いた会合で利下げの開始時期について議論したことが明らかになり、市場ではヨーロッパ中央銀行がいつ政策を転換するかが注目されそうです。
ヨーロッパ中央銀行 主要な政策金利 2回連続で据え置き
ヨーロッパ中央銀行は金融政策を決める理事会を開き、2会合連続で主要な政策金利の据え置きを決めました。ドイツなどで景気に不透明感が強まるなか、金融引き締めの影響に配慮した形です。
欧州中央銀行 ラガルド総裁「利下げはまったく議論せず」
理事会のあとの記者会見でラガルド総裁は、ユーロ圏の物価動向について「インフレ率はここ数か月低下しているが、再び上昇する可能性が高い」と述べました。
そのうえで、インフレ率の見通しについてはいずれも年間の平均で、ことしは5.4%となるのに対し、来年は2.7%、再来年は2.1%と、物価目標の2%に向けて徐々に低下するという見方を示しました。
一方で、今後の政策の方向性については「警戒を解くべきか。いや絶対に警戒を緩めるべきではない」と強調し「利下げについてはまったく議論していない。議論も討論もなかった」とも述べ、当面は現状の金融引き締めを維持し、慎重に政策運営を進める考えを示しました。