岸田首相 閣僚交代 「実行力 答弁力 即戦力」自民人事年内に

安倍派の閣僚4人を交代させ、林官房長官らを起用した人事について、岸田総理大臣は、14日夜、総理大臣官邸で記者団に対し、来年の通常国会などへの対応も見据え、即戦力の人材を選んだと説明しました。また自民党役員の人事も年内に実施する考えを示しました。

自民党幹部人事 「年内 適切なタイミングで」

この中で、岸田総理大臣は、自民党幹部の人事をめぐり「きょう、萩生田政務調査会長、世耕参議院幹事長、高木国会対策委員長から辞意を示されたところだ。国政の推進に支障がないよう、年内の適切なタイミングで人事を行いたい」と述べました。

「調整力 実行力 答弁力 即戦力」

その上で「来月には通常国会で予算案や法案の審議が始まり、来年は外交、経済、社会ともに日本にとって正念場を迎える。こういった状況を考えるとき、今回の人事にあたって、調整力、実行力、答弁力などを備えた即戦力を選ばなければならないという考えのもと人事を行った」と述べました。

政治資金問題 「実態把握し 原因と課題を抽出」

岸田総理大臣は、一連の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題の再発防止策について「各政策集団の会計のあり方は、政策集団によって事情はさまざまだ。実態を把握し、原因と課題を抽出していかなければならない。私自身、党所属の国会議員とひざ詰めで議論していきたい。その上で全容や原因、課題を踏まえてどういった形で対策をまとめるのか判断していきたい」と述べました。

萩生田政調会長に「責任持って対応してほしい」と指示

そして「党役員の人事だが、萩生田政務調査会長は、いま、予算、税制、まさに大詰めを迎えているので責任を持って対応してほしいと指示した。こうした中で、具体的な後任などの人事が決まると考えている。ほかの役員も政務調査会長の対応も踏まえて年内の適切な時期に判断されると思う」と述べました。

「予定どおり人事行えた」

また、記者団から「閣僚起用への打診を断られたという情報もあるが」と事実関係を問われたのに対し「人事については年末の大変重要な時期に国政に遅滞を生じないようにということでスピード感を持って取り組んだ。陣容も含め予定どおり人事を行えたと思っている」と述べました。

「一人一人の意向や事情を勘案」

岸田総理大臣は、安倍派の政務三役のみを交代させた理由を問われ「所属する政策集団がどこかということではなく、一人一人の意向や事情を勘案した上で判断をした。事実、安倍派でも政務官は大部分、留任してもらった。今後も個別の政策集団の立場がどうだというのではなく、党全体が一致結束することが重要だ」と述べました。

派閥離脱「各政治家が適切に判断」

また、記者団から林官房長官に岸田派の離脱を求める考えはないか問われ「私自身は自民党総裁として党の信頼回復の先頭に立つ覚悟を示すために政策集団から離れた。今後、おのおのの政治家が信頼回復にどう取り組むのか、どう判断すべきなのか、全容や原因、課題を踏まえながら適切に判断していく」と述べました。