プーチン大統領 年末記者会見と国民対話 軍事侵攻進める姿勢

モスクワ支局。ロシアのプーチン大統領は、日本時間の今夜開いた年末の記者会見などのイベントで「ロシアが目標を達成すればウクライナに平和が訪れる」と述べた上でウクライナ軍の反転攻勢について撃退に成功していると主張し、軍事侵攻を推し進める姿勢を改めて強調しました。

ロシアのプーチン大統領は、日本時間の14日夜6時すぎから首都モスクワのクレムリン近くで年末の記者会見と、各地の住民などからの質問に答えるイベントを行っています。

この中でプーチン大統領は「ロシアが目標を達成すればウクライナに平和が訪れる。ウクライナの『非ナチ化』や『非軍事化』などは依然として重要だ」と述べました。

そのうえでウクライナ軍の反転攻勢についてロシアは撃退に成功していると主張し、軍事侵攻を推し進める姿勢を改めて強調しました。

そして「ロシア軍は前線で、積極的な作戦を展開し、陣地は改善されている」と主張したうえで前線が2000キロにおよぶ戦闘地域にはおよそ62万人が展開していると明らかにし兵力は不足していないと強調しました。

一方、プーチン大統領は激しく対立するアメリカについても触れ「関係を築く準備ができている。アメリカは重要かつ必要な国であると信じている」と述べアメリカの対ロシア政策が変われば関係改善に向けて動き出す用意があるとしました。

また、ウクライナ東部の戦地にいる兵士の質問に答える形で感謝を伝え、激励する場面もありました。

このイベントは、国営テレビなどを通じて生中継されていてプーチン大統領としてはロシア軍の犠牲が増え続ける中にあっても軍事侵攻を正当化して国民に理解を求めるねらいがあるとみられます。

プーチン大統領「主権のないロシアの存在ありえず」

ロシアのプーチン大統領は、年末の記者会見と国民からの質問に直接答えるイベントで「主権のないロシアの存在はありえず、重要なのはそれを強化することだ」と述べ、ウクライナへの軍事侵攻を巡り対立が深まる欧米などに対抗する姿勢を強調しました。

プーチン大統領「新たな動員 今のところ必要ない」

ロシアのプーチン大統領は「ことし、ロシア軍はすでに48万6000人を採用し、兵力は減っていない。新たな動員は今のところ必要ない」と述べ、ウクライナ侵攻が長期化する中でも、国民の間で懸念が根強い追加の動員については行わないという姿勢を強調しました。

プーチン大統領「アメリカと関係築く準備できている」

ロシアのプーチン大統領は「われわれは、アメリカとの関係を築く準備ができている。アメリカは重要かつ必要な国であると信じている」と述べました。

一方で、プーチン大統領は「アメリカで根本的な変化が起きたら、彼らは問題の解決のために制裁や戦闘を行うのではなく、妥協点を探し始めようとするだろう。そうすれば関係回復の条件が作られるが、まだそのような状況ではない」と述べ、アメリカの対ロシア政策が変われば関係改善に向けて動き出す用意があると主張しました。

プーチン大統領「兵士に感謝」

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ東部の前線にいるロシア軍の兵士の質問に答える形で「兵士の皆さんに感謝を伝えたい。儀礼的に言っているように聞こえるかもしれないが、心からそう思っている」と述べ激励しました。

プーチン大統領「ウクライナ4州に毎年1兆ルーブル以上投入」

ロシアのプーチン大統領は、プーチン政権が去年、一方的に併合を宣言したウクライナの4つの州について「ロシア政府は毎年、1兆ルーブル以上をこれらの地域の発展やロシア社会への編入のために投入する」と述べ、ロシアによる支配を推し進める方針を示しました。

プーチン大統領「陣地改善されている」

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナへの軍事侵攻について「ロシア軍は前線で、積極的な作戦を展開し、陣地は改善されている」と主張しました。

その上でプーチン大統領は、前線のロシア軍の兵力について「戦闘地域には61万7000人がいる」と明らかにしました。

プーチン大統領「ことしのGDP伸び率 プラス3.5%と予想」

ロシアのプーチン大統領は「ロシアのことしのGDP=国内総生産の伸び率はプラス3.5%と予想されている。よい結果だ。去年の落ち込みから回復したということだ」と述べ、欧米からの経済制裁の中でもロシア経済は回復していると強調しました。