中国とベトナム「包括的戦略的パートナーシップ」深化で合意

中国とベトナムは習近平国家主席のベトナム訪問が終了したことを受けて共同声明を発表し「包括的戦略的パートナーシップ」を深めることで合意したことを明らかにしました。
中国としてはベトナムとの外交関係を格上げしたアメリカや日本をけん制するねらいがあるとみられます。

ベトナムを訪れている中国の習近平国家主席は12日、ベトナムの最高指導者で共産党トップのグエン・フー・チョン書記長と会談したのに続き、13日はチン首相やトゥオン国家主席と会談し一連の外交日程を終えました。

これを受け、中国・ベトナム両政府は共同声明を発表し「両国が『包括的戦略的パートナーシップ』を深め、未来を共有する運命共同体を構築することで合意した」と明らかにしました。

また、共同声明には、経済や安全保障など幅広い分野での協力が盛り込まれていて、この中には、国境をまたぐ鉄道の建設に向けた協力を強化することや、両国が面するトンキン湾で双方の国防省が合同で巡視を行うことなどが含まれています。

ベトナムをめぐってはことし、アメリカや日本が中国などへの対抗を念頭に外交関係を格上げすることで合意しています。

ベトナムと中国は南シナ海の領有権をめぐって対立しているものの、経済的な結び付きも強く、中国としてはベトナムとの関係を強化することで、アメリカや日本をけん制するねらいがあるとみられます。