アルツハイマー病新薬 専門医ら患者に説明できるか模索始まる

認知症の原因の1つアルツハイマー病の新しい治療薬「レカネマブ」について13日、保険適用の対象とすることが決まりました。患者の期待が高まる一方、薬の投与対象は限られることから専門医の間では、薬について患者にいかに丁寧に説明できるか模索が始まっています。

アルツハイマー病の原因物質に直接働きかける新薬「レカネマブ」は、12日開かれた中医協=中央社会保険医療協議会で保険適用の対象とすることが決まり、今月20日から適用される予定です。

患者の期待が高まる一方、薬の投与対象は
▽認知症発症前の「軽度認知障害」の人と
▽アルツハイマー病の発症後、早い段階の人に限られ
認知症の専門医によりますと、認知症患者全体の1割未満とみられるということです。

このため専門医の間では、この薬について患者にいかに丁寧に説明できるか、模索が始まっています。

大阪大学では、医師や看護師、ソーシャルワーカーなどが定期的に勉強会を開いてきました。

この中で、大阪大学大学院の池田学教授は、期待して受診した患者が、投与の対象外と告げられ落胆するケースが想定されるとして「レカネマブを使えなくても、別の治療をどう進めていくかなど、患者が希望を持てるよう、丁寧に説明していく必要がある」と呼びかけました。

池田教授は「期待してきた患者さんに対象外と説明しないといけないケースがでてくるので患者や家族の理解度に合わせて丁寧に説明し、そこからいかに前向きに治療に取り組めるようにするかが大事だ」と話していました。