日銀短観 中小企業の景気判断改善も 人手不足感が一段と強まる

13日、日銀が発表した短観=企業短期経済観測調査では、中小企業の景気判断を示す指数が製造業、非製造業ともに改善しましたが、中小企業の間で人手不足感が一段と強まっていることが分かりました。

日銀の短観は、大企業に加えて中小企業4700社余りにも景気の現状を尋ねていて、景気が「よい」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた指数で景気を判断しています。

今回の調査で、中小企業の製造業の指数はプラス1ポイントと前回・9月の調査を6ポイント上回り、2期ぶりに改善しました。

また、中小企業の非製造業の指数は、プラス14ポイントと、前回を2ポイント上回り、7期連続の改善でした。

これは1991年8月の調査以来、およそ32年ぶりの水準です。

中小企業の景気判断が改善したことについて日銀は、原材料価格の上昇分を販売価格に転嫁する動きが進んだことが要因だと分析していますが、価格転嫁の動きは業種によってばらつきがあるとも指摘しています。

一方、中小企業の間では人手不足感が一段と強まっています。

短観では企業に従業員の数が「過剰」か「不足」かを尋ねて指数化していますが、この指数が中小企業の非製造業でマイナス47となり、1983年5月の調査開始以来、人手不足感が最も高い水準となっています。

中小企業の間では人手を確保するために賃金を引き上げる動きも出ていますが依然、人手不足は深刻な状況が続いています。