「収支報告書に記載しなかったのは派閥からの指示」安倍派秘書

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、パーティー収入のキックバックを受けていた安倍派の所属議員の秘書らが東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し、「政治資金収支報告書に記載しなかったのは派閥からの指示だった」などと説明していることが関係者への取材でわかりました。
東京地検特捜部は臨時国会閉会を受けて、安倍派の所属議員などからの任意の事情聴取を検討し、実態解明を進めるものとみられます。

自民党の最大派閥、安倍派「清和政策研究会」の政治資金パーティーをめぐっては、松野官房長官ら派閥の幹部6人を含む大半の所属議員側がパーティー収入の一部についてキックバックを受け、議員側の政治団体が政治資金収支報告書に収入として記載していなかったとみられることが明らかになっています。

安倍派の議員側にキックバックされた資金の総額は去年までの5年間で、およそ5億円に上るとみられ、東京地検特捜部は安倍派の所属議員の秘書らから任意で事情を聴いていますが、キックバックを受けていた複数の秘書らが特捜部に対し、「政治資金収支報告書に記載しなかったのは派閥からの指示だった」などと説明していることが関係者への取材でわかりました。

特捜部は臨時国会閉会を受けて、安倍派の所属議員など数十人からの任意の事情聴取を検討し、捜査を本格化させるものとみられます。

宮澤防衛副大臣 “派閥から「記載しなくてもよい」と指示”

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、安倍派に所属する宮澤防衛副大臣はノルマを超えて集めた分について、かつて派閥から、「政治資金収支報告書に記載しなくてもよい」という指示があったことを明らかにしました。

安倍派に所属する宮澤防衛副大臣は13日夕方、国会内で記者団に対し、去年までの3年間にあわせて140万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことを明らかにし、「おわびしたい」と陳謝しました。

その上で、「派閥の方からかつて、政治資金収支報告書に記載しなくてもよいという指示があった。『大丈夫かな』とは思ったが、長年やっているのなら適法なのかと推測せざるを得ず、指示に従った」と述べました。

また、今回の問題が発覚して以降、「派閥から『しゃべるな』という指示もあった」と述べました。