特殊詐欺の摘発強化へ 来年4月「連合捜査班」立ち上げ 警察庁

警察庁は来年4月、特殊詐欺の捜査の在り方を大きく転換し、大都市を中心に人員を配置するなどした、全国警察の「連合捜査班」を立ち上げて、摘発強化に乗り出す方針を固めました。

深刻な被害が続いている特殊詐欺。

13日、全国の警察幹部を前に、警察庁の渡邊国佳刑事局長が特殊詐欺の従来の捜査の在り方を、来年4月以降、大きく見直すことを伝え、「意識改革をお願いしたい」などと訓示しました。

日本の犯罪捜査は被害が発生した地域の警察が捜査の中核を担う、「発生地主義」が基本となっています。

特殊詐欺の場合も多くのケースでは被害者がいる地域の警察が、初動から犯人の検挙まで、捜査を担当してきました。

来年4月からは、全国の警察の刑事部門や組織犯罪捜査の部門に「特殊詐欺連合捜査班」が設置されて、都道府県をまたいだ連携の窓口となるほか、警視庁、埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪、福岡の7都府県の警察には、他県から派遣された人員も加えるなどして、数十人から最大200人の専従の捜査班がつくられます。

「連合捜査班」の体制では被害者がいる場所に関わらず、詐欺グループの関係先がある地域の警察などが依頼を受け、初動から検挙までの一連の捜査を主体的に行うということです。

警察庁はSNSで集められた「闇バイト」などを広域で操りながら詐欺を繰り返している犯罪グループに対し、より効果的な形で捜査を進めることができ、頻繁に出張が発生するなどしていた地域の警察の負担軽減にもつながるとしています。

警察庁によりますと、ことし10月末までの全国の特殊詐欺の被害は1万5636件、被害額は338億円にのぼっていて、件数、金額ともに去年の同じ時期を上回っています。