ロシア 政権批判のナワリヌイ氏が所在不明 支援団体が明かす

ロシアでプーチン政権を批判する急先ぽうとして知られ、刑務所に収監されている反体制派の指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏について、支援団体はナワリヌイ氏との連絡が途絶え、所在が不明となっていると明らかにしました。

アレクセイ・ナワリヌイ氏は、ロシア政府の関与が疑われる毒殺未遂事件に見舞われ、おととし療養先のドイツから帰国した際に過去の経済事件を理由に逮捕され、実刑判決を受けて刑務所に収監されています。

ナワリヌイ氏を支援する団体の広報担当者は11日、およそ1週間にわたりナワリヌイ氏との連絡が途絶えているとSNSなどで明らかにしました。

ナワリヌイ氏は、モスクワ近郊のウラジーミル州の刑務所に収監されていたとされますが、刑務所のリストには登録されておらず、職員は移送先も明かさず、所在が不明となっていると訴えています。

ナワリヌイ氏をめぐってはことし8月、ロシアの裁判所が過激派団体を創設した罪などで新たに禁錮19年の判決を言い渡し、管理がさらに厳しい施設に移送されるとみられてきました。

ナワリヌイ氏は今月7日、来年3月のロシア大統領選挙に向けて、支援団体を通じて、プーチン大統領以外の候補者に投票するよう呼びかける運動を始めたばかりでした。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は12日、ナワリヌイ氏について「受刑者の運命や所在地について、監視する意図もなければ可能性もない」と述べ、把握していないとしています。