タイ首相 国内のEV分野は中国先行 日本へ投資拡大を呼びかけ

今月16日から開かれる日本とASEAN=東南アジア諸国連合の特別首脳会議を前に、タイのセター首相がNHKなどのインタビューに応じ、中国勢が先行するEV=電気自動車の分野で「日本は取り残される」と述べ、日本メーカーによる投資の拡大を呼びかけました。

日本とASEANの友好協力関係がことしで50年の節目となるのにあわせ、今月16日から3日間の日程で、各国首脳を東京に招いて特別首脳会議が開催されます。

会議への出席を前に12日、タイのセター首相がNHKなど日本メディアのインタビューに応じ、「この50年の日本企業からのタイへの投資に感謝している」と述べました。

一方で、日本の自動車メーカーが高いシェアを維持してきたタイで、中国メーカーがEVの現地生産の計画を相次いで打ち出している現状について「日本はEVの生産でやや遅れをとっている。クリーンエネルギーへの移行を急がなければ、日本は取り残されてしまう」と懸念を示しました。

その上で、日本の大手メーカーとも協議を進め、タイでのEV生産に向けて税制面での優遇措置を検討していく考えを明らかにしました。

また、おととしの軍事クーデター以降、混乱が深まる隣国ミャンマーの情勢についてセター首相は懸念を示した上で「この問題への主導的な役割を担う必要がある」と述べ、事態の沈静化に向けて特別首脳会議でも各国と議論する意向を示しました。