【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(12月13日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる13日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

米メディア “ロシア軍 兵力の9割近くが失われた”

ニューヨーク・タイムズなど複数のアメリカメディアは12日、機密解除されたアメリカの情報機関の報告書の内容として、去年2月にウクライナへの侵攻を開始した当初、ロシア軍の兵力は36万人規模だったのが、すでに9割近い31万5000人が失われたという分析を伝えました。

また、戦車も3500両だったのが2200両を失い、50年以上前に生産され、保管されていたT62型戦車などを戦地に送ることを余儀なくされたほか、先月下旬の時点で、地上部隊の軍装備品の4分の1以上を失ったとしています。

報告書では「ウクライナの戦争は地上部隊の近代化に向けた、15年にわたるロシアの努力を大幅に後退させた」と指摘しているということです。

ロシア軍は最近も、激しい攻撃をしかけている東部ドネツク州のアウディーイウカの戦闘などで甚大な損失を出しているとみられていますが、プーチン政権はロシアの各地から契約軍人を募集して兵員を補充するなど、消耗戦を続けています。

ロシア軍がキーウをミサイル攻撃もウクライナ軍が迎撃

ウクライナ空軍は13日未明、首都キーウに向けてロシア軍がミサイル10発を発射し、いずれもウクライナ軍が迎撃したと発表しました。

しかし、キーウのクリチコ市長によりますと、撃ち落としたミサイルの破片が住宅地に落ちるなどして、これまでに子どもを含む53人がけがをしたということです。

NHKの取材班が滞在するホテルでも午前3時ごろに、迎撃ミサイルの発射音とみられるボン、ボンという短い音が複数回、聞こえました。

キーウへのミサイル攻撃について、アメリカを訪問しているウクライナのゼレンスキー大統領はSNSで、「きのう、アメリカのバイデン大統領との間で、防空システムを増強することで合意したところであり、テロ国家はこの決定がいかに重要かを示した」と投稿し、アメリカなどの支援も受けながらロシア軍の攻撃に対抗する姿勢を強調しました。

また、ロシア軍は13日、南部オデーサ州でもイラン製の無人機9機で攻撃を行い、2人がけがをしたほか、火災も発生するなど、本格的な冬が到来する中、各地でミサイルや無人機による攻撃が強まっています。

ウクライナ 大規模な通信障害 ロシア関与か

ウクライナの現地メディアによりますと、大手通信会社「キーウスター」が12日、サイバー攻撃を受け、大規模な通信障害が発生しました。

「キーウスター」の携帯電話の契約者は2400万人にのぼり、一部の地域ではロシアからのミサイルやドローンによる攻撃の情報を住民に知らせる警報システムにも影響が出たということです。

現地メディアは、今回のサイバー攻撃にロシアが関与している可能性もあるとみて、ウクライナ保安庁が捜査を進めていると伝えています。

米ウ首脳会談にロシア報道官「戦況変えることできない」

アメリカのバイデン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の首脳会談が行われるのに先立ち、ロシア大統領府のペスコフ報道官は12日、「これまでウクライナに多額の資金がつぎ込まれたが、戦場での成功には何の役にもたたなかったことを理解する必要がある。戦況や特別軍事作戦の進展を変えることはできないと確信している」と述べました。

一方で、「もちろん両首脳の会談については注視していく」と述べ、警戒感も示しました。