中国 習主席 ベトナム最高指導者と会談 日米をけん制か

12日からベトナムを訪れている中国の習近平国家主席は、ベトナムの最高指導者のチョン書記長と会談し、関係の強化を呼びかけました。ことしに入り、ベトナムと外交関係を格上げすることで合意したアメリカや日本をけん制するねらいがあるものとみられます。

中国の習近平国家主席は12日、首都ハノイに到着し、ベトナムの最高指導者で共産党トップのグエン・フー・チョン書記長と会談しました。

習主席のベトナム訪問は2017年以来6年ぶりで、中国国営の新華社通信によりますと、習主席は会談で両国関係について「政治的な相互信頼をさらに高めるとともに、安全保障面での協力を進め、意見の隔たりをより適切に管理するという新たな段階に入ろうとしている」と述べ、関係強化を呼びかけました。

これに対し、ベトナムのチョン書記長は「今回の訪問が地域と世界の平和や発展のための新たな歴史的な足跡となることを強く信じたい」と述べました。

ベトナムをめぐっては、ことしに入ってアメリカや日本が中国などへの対抗を念頭に、相次いで外交関係を格上げすることで合意しています。

ベトナムと中国は南シナ海の領有権をめぐって対立しているものの、同じ社会主義国で結び付きがあり、中国としてはベトナムとの関係を強化することで、アメリカや日本をけん制するねらいがあるとみられます。