イプシロンS 燃焼試験中の爆発事故 点火装置の一部溶融が原因

ことし7月に起きた、次期主力ロケットの1つ「イプシロンS」の燃焼試験中の爆発事故について、JAXA=宇宙航空研究開発機構は、点火装置の一部が熱で溶け、圧力容器内で異常な燃焼が発生したのが原因だと結論づけました。

これは12日に開かれた文部科学省の会議でJAXAが明らかにしました。

ことし7月、秋田県で行われた固体燃料式の小型ロケット「イプシロンS」の2段目の燃焼試験で起きた爆発事故では、圧力容器が許容できる温度を超えたことで爆発した可能性が高いことが、これまでの検証からわかっています。

JAXAは、再現試験などを進めた結果、爆発に至った詳しい原因について、点火装置の一部が熱で溶けて飛び散り、圧力容器内の断熱材が損傷して異常な燃焼が発生したためだと結論づけました。

JAXAは溶けた部品に断熱加工などを施し、部品単体の試験なども行った上で、今後、2段目の燃焼試験に再度挑む予定で、「イプシロンS」の打ち上げは来年度後半に目指すことにしています。

JAXAの井元隆行プロジェクトマネージャは、「事実に基づいて着実に原因を判断することができた。失敗した過去は変わらないが、未来の打ち上げ成功に向けて、さらに気を引き締めていく」と述べました。