米とフィリピン 軍制服組トップが電話会談 中国海警局の妨害で

南シナ海でフィリピン当局の船が中国海警局の船から相次いで妨害されたことを受け、アメリカ軍とフィリピン軍の制服組トップが電話会談し、緊密な協議を続けていくことで一致しました。

アメリカ国防総省の発表によりますと、アメリカ軍の制服組トップ、ブラウン統合参謀本部議長は11日、フィリピン軍の制服組トップのブラウナー参謀総長と電話で会談しました。

会談の中で双方は、南シナ海の南沙諸島、英語名スプラトリー諸島のセカンド・トーマス礁周辺の状況をめぐって意見を交わしたほか、両軍の情報共有の改善や軍事演習の増加などについても話し合い、緊密な協議を続けていくことで一致しました。

中国とフィリピンが領有権を争うセカンド・トーマス礁とスカボロー礁の周辺では、9日から10日にかけてフィリピン当局の船が中国海警局の船から放水銃で水を浴びせられるなど妨害行為が相次いでいます。

アメリカ国防総省のライダー報道官は11日、記者団に対し、中国の行動について「無責任かつ危険だ」と非難するとともに、「相互防衛条約に基づくわれわれの義務は揺るがない」と述べ、フィリピンの公船などが攻撃を受けた場合、アメリカに防衛義務が生じると強調しました。