ゼレンスキー大統領 ワシントン再訪問 支援継続の訴え

アメリカ政府が、ウクライナへの軍事支援の予算が年内に枯渇するとの見通しを示す中、ゼレンスキー大統領がことし9月に続いて首都ワシントンを再び訪れ、支援の継続を訴えました。

アメリカ議会では、ウクライナへの軍事支援をめぐる緊急予算の協議が重要局面を迎えていて、ゼレンスキー大統領はバイデン大統領などと協議するため、首都ワシントンを訪れています。

ゼレンスキー大統領は、11日、国防大学で演説し、バイデン政権がウクライナへの軍事支援の予算が年内に枯渇するとの見通しを示していることを踏まえ「われわれの兵士たちは激しい戦いの中、前線で持ちこたえ、さらなる行動の準備をしている」と述べ、支援の継続を訴えました。

一方、ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は記者団に対し、バイデン大統領は12日に予定しているゼレンスキー大統領との協議で、ウクライナを支援し続ける考えを改めて伝えるとともに、ウクライナ支援がアメリカの国家安全保障上も重要である理由を明らかにすると述べました。

アメリカでは、イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突に対する関心が高まっているほか、議会の共和党の一部からはメキシコとの国境管理を優先すべきだなどとしてウクライナ支援の継続に消極的な意見が出ています。

このため、バイデン大統領としても議会に対しウクライナ支援を含む緊急予算の承認を急ぐよう促したい考えです。