米有力紙 “イスラエル軍 米供与の白リン弾 レバノンで使用”

アメリカの有力紙は、イスラエル軍がことし10月に隣国レバノンを攻撃した際、アメリカから供与された「白リン弾」を使用していたと伝えました。「白リン弾」は人体に深刻な影響を与え、非人道的だと国際的に非難されていて、ホワイトハウスの高官は詳細を調査する考えを明らかにしました。

アメリカの有力紙ワシントン・ポストは11日、イスラエル軍がことし10月に隣国レバノンを攻撃した際、アメリカから供与された「白リン弾」を使用していたことを、砲弾の残骸に記されていた情報から確認したと伝えました。

砲弾の残骸が見つかったのはレバノン南部の町で、イスラム教シーア派組織ヒズボラが拠点としていることからイスラエルが空爆を続けていて、アメリカが供与した「白リン弾」による攻撃で少なくとも民間人9人がけがをしたということです。

「白リン弾」は、国際法で使用が禁止されている兵器には指定されていませんが、着弾したときに飛び散る高温の白リンによって大やけどを負わせることなどから非人道的だとして、国際的な人権団体が非難しています。

ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は11日、記者団に対し「白リン弾を照明や煙幕として使う場合は正当だ」とした上で、「供与した相手には当然、ルールを守ってもらいたいと考えている」と述べ、詳細を調査する考えを明らかにしました。