政治資金問題 自民 岸田派でもパーティーめぐり収入過少記載か

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、安倍派や二階派だけではなく、岸田総理大臣が会長を務めていた岸田派「宏池政策研究会」でも、派閥が実際に集めた収入より少ない金額が収支報告書に記載されていたとみられることが関係者への取材で新たにわかりました。東京地検特捜部もこうした経緯を把握し、詳しい経緯を調べているものとみられます。

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐっては、最大派閥の安倍派「清和政策研究会」や二階派「志帥会」が、所属議員がパーティー券の販売ノルマを超えて集めた分の収入を議員側にキックバックし、派閥の政治資金収支報告書にパーティーの収入として記載していなかった疑いなどが明らかになっています。

そして、安倍派や二階派だけではなく、岸田総理大臣が会長を務めていた岸田派「宏池政策研究会」でも、これまでに、派閥が実際に集めた収入より少ない金額が収支報告書に記載されていたとみられることが関係者への取材で新たにわかりました。

ただ、収支報告書に記載されていなかったとみられる収入の規模は、安倍派や二階派と比べ少ないということです。

東京地検特捜部はこうした経緯を把握し、派閥の担当者から任意で事情を聴いていて、資金の流れや収支報告書が作成された経緯などについて慎重に調べを進めているものとみられます。

岸田総理大臣は今月7日、より中立的な立場で国民の信頼回復に努めたいとして、2012年から会長を務めていた岸田派を離脱しています。

岸田派の事務局「正確に事実関係を把握したうえで適正に対応」

自民党岸田派の事務局は「正確に事実関係を把握したうえで、適正に対応していきたい」というコメントを出しました。

松野官房長官「政府として答えることは差し控える」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「報道は承知しているが、捜査機関の活動内容に関わる事柄について政府として答えることは差し控える。岸田総理大臣は、党として強い危機感を持って対応していくことや、問題の原因や課題を把握しながら国民の信頼回復の観点から必要な対応を行っていく旨を発言しており、今後そのような方針のもと対応していくものと考える」と述べました。

自民 世耕参院幹事長「党全体の問題として危機感を持って臨む」

自民党の世耕参議院幹事長は記者会見で「岸田総理大臣自身が党幹部を集めた席で『派閥単独や議員個人の問題ではなく、党全体の問題として危機感を持って臨んでいく』と述べていた。岸田派でも問題が指摘されるのであれば、しっかり精査の上、対応していくことが重要だ」と述べました。

自民 梶山幹事長代行「各派閥が調査 精査し説明ある」

自民党の梶山幹事長代行は記者会見で「収支報告書を再点検し、必要な訂正と説明を行うよう各派閥に党からお願いしている。それぞれの派閥が調査、精査をした上で、防止策も含めて説明があるものと思っている」と述べました。

立民 安住国会対策委員長「自民党全体の問題になっていく」

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に「他の派閥にも波及すれば、安倍派の問題ではなく、自民党全体の問題になっていく。そうなれば、こう間言われている内閣改造で安倍派の政務三役15人の更迭といった話は全く意味のないことになる」と述べました。

国民 玉木代表「与野党を超えた政治の抜本改革をすべき」

国民民主党の玉木代表は記者会見で「事実であれば、安倍派を人事で外せばよいという話にとどまらない。安倍派に限らず、全容を明らかにした上で、法律に違反している人は外れてもらうのが対処の順番ではないか。与野党を超えた政治の抜本改革をすべきで、自民党が本気で変わるということであれば、派閥は解消すればいい」と述べました。