【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(12月11日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる11日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ軍 キーウ州でミサイル迎撃も破片で市民4人けが

ウクライナ空軍は11日、ロシア軍が8発の弾道ミサイルでキーウ州を攻撃したと発表しました。

空軍は迎撃に成功したとしていますが、首都キーウの市長はミサイルの破片が落下して市民4人がけがをしたとしています。

ウクライナ軍によりますとロシア軍は今月8日にも戦略爆撃機から19発の巡航ミサイルを発射したばかりで、イギリス国防省は10日、「大規模な波状攻撃だ。ミサイルはロシアの高性能のもので、冬の作戦のため、これまで備蓄されていたことは確実だ」と指摘しました。

そのうえで「ウクライナのエネルギーインフラ施設を劣化させることを目的に作戦を開始したのだろう」としていてロシア軍がインフラ施設を標的にした本格的なミサイル攻撃を開始したと分析しています。

ウクライナ東部 ロシア軍が攻勢強める中 防御固める動き

ウクライナ東部ではロシア軍が攻勢を強めていて、ウクライナ陸軍のシルスキー司令官は10日、SNSに「東部の状況は、困難となっている」と投稿し、ウクライナ側の作戦が難航しているとの見方を示しました。

そして、ほかの軍の幹部とともに前線の状況を検討したうえで、防御を強化し兵士の命を守るための対応を進めていることを明らかにしました。

ゼレンスキー大統領 南米各国の首脳と相次ぎ会談

ウクライナのゼレンスキー大統領はアルゼンチンのミレイ新大統領の就任式に出席するため、アルゼンチンを訪問していて、パラグアイ、ウルグアイ、エクアドルの3か国の首脳と会談したことをみずからのSNSで明らかにしました。

会談では、これまでの支援への感謝などを述べるとともに、ウクライナが提唱する和平案について話し合う会議への参加を呼びかけたということです。
ゼレンスキー大統領としては、戦闘が長期化する中、新興国や途上国などのグローバルサウスの国々との関係を強化し、ロシア軍の撤退などを盛り込んだみずからの和平案への支持を広げるねらいがあるものとみられます。

ゼレンスキー大統領 12日にバイデン大統領と会談へ

アメリカ・ホワイトハウスの発表によりますとバイデン大統領は南米アルゼンチンを訪問しているウクライナのゼレンスキー大統領を首都ワシントンに招き、12日、ホワイトハウスで会談するということです。

会談ではロシアがミサイルや無人機による攻撃を強化する中、ウクライナが緊急に必要としているものや、アメリカが支援を続けることの重要性について話し合うとしています。

バイデン政権はウクライナへの軍事支援の予算について年末までに枯渇するという見通しを示していますが、議会では新たな緊急予算をめぐって与野党の主張が対立し、審議が滞っています。

アメリカによる支援の先行きに不透明感が増す中、バイデン大統領はゼレンスキー大統領との会談で、ウクライナの人々を支援するというアメリカの揺るぎない決意を強調するとしています。