“性加害”“過重労働” 芸能界の課題などを考えるシンポ 東京

芸能界でハラスメントや過重労働が問題となる中、法律家や研究者などが現状や課題について意見を交わすシンポジウムが10日、都内で開かれました。

このシンポジウムは、ジャニー喜多川氏の性加害の問題や宝塚歌劇団の劇団員が亡くなったことなどを受けて、俳優や音楽家などでつくる「日本芸能従事者協会」が開いたもので、法律家や研究者など12人が登壇しました。

このうち協会の森崎めぐみ代表理事は、芸能界は、スポンサーをはじめ、広告代理店、それにプロデュース業者などが関わる多重な下請け構造になっている点が特徴だと説明し、芸能従事者に対する安全衛生上の管理責任が明白ではないという課題を指摘しました。

協会が実施したアンケートでは「仕事上、安全に関して不安に思ったことがある」と答えた芸能従事者は9割近くを占めたということです。

また、労働法が専門の名古屋学院大学の佐々木達也准教授は、パワハラやセクハラを経験した芸能従事者が少なくないとする国の調査を示した上で、「演技などについて指導とパワハラは境界線が分かりづらいが、人格否定があったかどうかや、人前で行われていたかなど、過去の裁判例が参考になると思う」と説明していました。

協会によりますと、芸能従事者のおよそ95%が組織と雇用関係にないフリーランスとされていて、シンポジウムでは、来年秋ごろまでの施行を予定しているフリーランスで働く人を保護する法律の周知・運用や、行政による芸能事務所に関するガイドラインの作成などを求める声が上がっていました。