「反ユダヤ主義」への証言で批判 ペンシルベニア大の学長辞任

イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突以降、アメリカの大学内で差別や偏見に基づく事件が相次ぐなか、ペンシルベニア大学の学長が反ユダヤ主義を明確に否定しなかったとして辞任に追い込まれました。アメリカメディアは、教育現場では学生の安全確保とともに表現の自由をどう守るか苦慮していると大きく伝えています。

アメリカのペンシルベニア大学は9日、マギル学長がみずから辞任を申し出たと発表しました。

アメリカの大学では、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突以降、差別や偏見に基づく事件などが相次ぎ、今月5日、この問題をめぐり、マギル学長のほか、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の学長が議会下院の公聴会で証言しました。

このうちマギル学長は、学生が反ユダヤ主義を巡る発言をした場合、嫌がらせにあたるか聞かれたのに対して「文脈による」などと答えました。

この発言について、反ユダヤ主義を明確に否定しなかったとして卒業生などから批判が高まり、一部の議員は辞職を求める書簡を送りました。

マギル学長は6日、自身の発言についてSNS上で謝罪し、辞任に追い込まれました。

アメリカでは、ユダヤ系の人たちの影響力が政治や経済などさまざまな分野に及んでいて、メディアは、教育現場では学生の安全とともに表現の自由をどう守るか苦慮していると大きく伝えています。