南シナ海の離島住民らに支援物資を 比の民間団体メンバー 出発

中国の威圧に直面している南シナ海の離島の住民や島を守る軍人にクリスマスにあわせて支援物資を届けようと、フィリピンの民間団体のメンバーが船で出発しました。

フィリピンの学生などでつくる民間の団体は中国との領有権争いが激しさを増すなか、南シナ海の離島に暮らす住民や防衛を担う軍人にクリスマスにあわせた支援物資を届けようと国民に呼びかけてきました。

フィリピン西部のパラワン島の港には、全国から寄せられたコメや缶詰などの食料品のほか、服や懐中電灯など多くの支援物資が集められ、10日未明、団体のメンバーらが船に積み込んで南シナ海の離島に向けて出発しました。

船に乗り込んだ22歳の女性は「最前線で戦う人たちに『あなたたちは1人ではない』と伝えに行きたい。中国には侵略をやめてほしい」と話しました。

フィリピンの民間団体が南シナ海で支援活動を行うのはこれが初めてだとフィリピン国内では伝えられていて、今回は著名な音楽家も賛同してチャリティーコンサートを開くなど、国民の間で中国に抵抗する意識が広がっていることをうかがわせています。

一方、現場の海域では中国が領有権を主張してフィリピン政府の活動を妨害する事例が相次いでいて、中国側のさらなる反発も懸念されています。