“ウクライナの領土でロシアの選挙 国際法に違反”と強く非難

ロシアが、来年3月の大統領選挙を軍事侵攻によって一方的に併合を宣言したウクライナの地域でも行うとしていることについて、ウクライナ外務省は国際法に違反すると強く非難しました。こうした中、ロシアの世論調査機関は、国内でウクライナとの和平交渉の開始を求める人が57%と、去年10月とならんでこれまでで最も高くなったと発表しました。

ロシアのプーチン大統領は、8日、来年3月に行われる大統領選挙に立候補する意向を表明しました。

プーチン政権は、ウクライナの南部クリミアのほか去年、一方的に併合を宣言した東部と南部の4つの州でも、選挙を行うとしています。

これについてウクライナ外務省は9日、声明を発表し「ウクライナの領土でロシアの選挙を行うことは、国際法に著しく違反する」と述べ、選挙は無効だと強く非難しました。

そのうえで国際社会に対し「選挙を実施しようとするロシアの意図を断固として非難し、それに関与した者に制裁を科すよう求める」と呼びかけました。

こうした中、ロシアの独立系の世論調査機関「レバダセンター」は8日、ウクライナへの軍事侵攻をめぐるロシア国内での最新の調査結果を発表しました。

それによりますと「軍事行動を続けるべきか、和平交渉を開始すべきか」という質問に対して、「和平交渉の開始」と答えた人は57%でした。

これは予備役の動員に踏み切った後に行われた去年10月の調査とならんでこれまでで最も高くなっています。

一方「軍事行動の継続」と答えた人は36%でした。

「レバダセンター」は、プーチン政権から「外国のスパイ」を意味する「外国の代理人」に指定され、圧力を受けながらも、独自の世論調査活動や分析を続けています。