COP28閣僚級会合「化石燃料の廃止」めぐり意見に大きな隔たり

UAE=アラブ首長国連邦のドバイで開かれている国連の気候変動対策の会議COP28の閣僚級会合では国や団体が演説を行いました。「化石燃料の廃止」をめぐっては依然、各国の意見の隔たりは大きく、今後も厳しい交渉が続くものとみられます。

COP28では、9日、閣僚級会合の2日目が行われ、気候変動による被害を受ける途上国の閣僚からは一刻も早い対策強化を求める声が相次ぎました。

このうち、南太平洋の島国サモアは「交渉のスピードが遅いことを懸念している。気候変動対策の進ちょくを評価するグローバル・ストックテイクでは、強力で効果的な成果が必要だ。1.5度目標を守りましょう」と各国に呼びかけました。

一方で参加団体の1つでサウジアラビアが主導するOPEC=石油輸出国機構の研究部門長は「すべてのエネルギーを選択肢に入れないかぎり、急増するエネルギー需要に応えることはできない」と述べ、化石燃料廃止の議論には慎重な姿勢をみせました。

また、COPの会場内ではNGOなどがこれまでで最も大きなデモ行進を行い「石炭や石油の時代を終わらせろ」や「化石燃料への投資をやめろ」と書かれたプラカードなどを掲げ、交渉を行っている各国に対して、化石燃料の廃止を求めていました。

化石燃料をめぐっては、合意文書の草案に「段階的な廃止」や「言及しない」などの案が盛り込まれ、最終的にどのような表現になるかが大きな焦点となっていますが、閣僚級会合でも参加した国や団体の間で大きな隔たりが浮き彫りとなり、今後も厳しい交渉が続くとみられます。