松野官房長官を交代の方向で首相検討 “内閣改造必要”の声も

自民党安倍派の政治資金パーティーをめぐる問題を受け、岸田総理大臣は、松野官房長官を交代させる方向で検討しています。政府・与党内には、高木国会対策委員長ら同様の疑いが明らかになった政権幹部の交代も避けられないとして内閣改造などの必要性を指摘する声があり、慎重に判断する考えです。

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、最大派閥の安倍派では、松野官房長官、高木国会対策委員長、世耕参議院幹事長に加え、萩生田政務調査会長、それに西村経済産業大臣ら幹部を含めた大半の議員側がキックバックを受け、政治資金収支報告書に収入として記載していない疑いのあることが新たに明らかになりました。

岸田総理大臣は9日夜、自民党の麻生副総裁と総理大臣公邸で会談し、今後の対応を協議しました。

そして、松野氏について交代させる方向で検討を進めています。

一方、世耕氏と高木氏は9日、それぞれ記者団の取材に対し、政治不信につながっているなどとして陳謝したものの、役職の辞任についてはいずれも否定しました。

ただ、政府・与党内では「1つや2つのポストの交代ではすまない状況になりつつある」などと、疑惑が明らかになった政権幹部の交代も避けられないとして、内閣改造や党役員人事の必要性を指摘する声が出ています。

岸田総理大臣としては、今週13日の国会閉会後に、検察が捜査を本格化させるとみられることや、来年度の予算編成が大詰めを迎えることなども念頭に慎重に判断する考えです。

これに対し、立憲民主党の泉代表は「裏金でつくった人間関係や支持者、支持率に支えられてきたのが今の自民党政権だとすれば正当性はない」と批判しました。

野党側は、11日の国会審議でも、松野氏らの更迭を求めるなど、さらに追及を強めていく方針です。