日本学術会議 法人化案受け臨時総会 継続的協議求める声明発表

日本学術会議のあり方をめぐり、国から独立した法人に移行させる案を政府が示していることを受けて、学術会議は9日臨時の総会を開き、「政府が示す改革案は十分協議されたものではない」として継続的な協議を求める声明を出しました。

日本学術会議は9日、東京 港区で臨時の総会を開き、オンラインでの参加も合わせておよそ140人の会員が出席しました。

学術会議をめぐっては、政府が設置した有識者懇談会で先月、組織のガバナンスの強化に向けて管理や運営などの知見がある外部有識者らでつくる委員会を設置することなど国から独立した法人にした場合の組織形態の案が示されました。

これについて学術会議側は「法人化しなくても示された案は実行可能だ」などと反発しています。

臨時の総会では、出席した会員からも「財源が保証されておらず不安だ」といった意見や、「法人化によって組織を改革することで任命拒否問題が実質的に正当化されるのでは」などと懸念する声が相次ぎました。

こうした意見を踏まえたうえで、学術会議は「政府が示す改革案は十分協議されたものではない」として、継続的な協議を求める声明を出しました。

光石衛会長は、臨時総会のあとの記者会見で「非常に重要な局面であり、会員の意見を反映して有識者懇談会でも発言していきたい」と述べました。