障害のある人たちの体験記「NHK障害福祉賞」の贈呈式

障害のある人やその家族などがつづった優れた体験記に贈られる「NHK障害福祉賞」の贈呈式が東京 渋谷のNHK放送センターで開かれました。

「NHK障害福祉賞」は、障害のある人やその家族、支援する人たちの体験や活動を広く知ってもらおうとNHK厚生文化事業団などが設けています。

58回目となることしは506の作品の中から9作品が入選し、最優秀賞には東京都の野上奈津さん(61)の「生きる選択」が選ばれました。

作品では全身の筋肉が萎縮する筋ジストロフィーなど3つの難病と闘う野上さんが、主治医から延命措置や気管切開の意思を聞かれて戸惑った経験が記されています。

こうした中で新型コロナウイルスに感染して命の危機に直面したことで人工呼吸器を試すことを決心した経緯を通じて、生きるための選択と向き合う姿がつづられています。

野上さんは「夫の母親の勧めで文章を書くようになり16年前にこの賞で佳作に選ばれたことが人生のターニングポイントになりました。その後、命が危ぶまれることもありましたが、こうして立っていることがすべてです」と話していました。

このほか、優秀賞には、
▽岐阜県の三浦律子さん(43)の「生きた時間を生きる」
▽茨城県の木村汐里さん(24)の「狭間にいる私」
▽神奈川県の金屋友梨亜さん(14)の「共生」が選ばれました。

入選作は作品集にまとめられ全国の図書館などに配布されるほか、最優秀賞などはNHK厚生文化事業団のホームページでも紹介される予定です。