松野官房長官側 1000万円超のキックバックを受けるも不記載か

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、最大派閥の安倍派「清和政策研究会」に所属する松野博一官房長官側が去年までの5年間で1000万円を超えるキックバックを受け、政治資金収支報告書に収入として記載していない疑いがあることが関係者への取材でわかりました。東京地検特捜部は資金の流れなどについて実態解明を進めているものとみられます。

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐっては、最大派閥の安倍派「清和政策研究会」が、所属する議員がパーティー券の販売ノルマを超えて集めた分の収入を議員側にキックバックし、派閥の政治資金収支報告書にパーティーの収入や議員側への支出として記載していなかった疑いなどが明らかになっています。

安倍派の議員側にキックバックされた資金の総額は去年までの5年間で数億円に上り、複数の議員がそれぞれ1000万円を超えるキックバックを受けていたとみられていますが、安倍派幹部の松野博一官房長官側も去年までの5年間で1000万円を超えるキックバックを受けていたことが関係者への取材でわかりました。

松野官房長官側の政治団体は、政治資金収支報告書に収入として記載していない疑いがあるということです。

松野官房長官は2019年9月からおととし10月までは派閥の運営を取りしきる事務総長を務めていました。

東京地検特捜部は、キックバックを受けていた安倍派の所属議員などからの任意の事情聴取についても検討しているとみられ、全国から応援の検事を集めて捜査態勢を拡充し、今月13日の臨時国会閉会後にも事情聴取を本格化させるものとみられます。

松野官房長官 “精査して適切に対応していきたい”

松野官房長官は、衆議院予算委員会の集中審議で「政府の立場としては答えを差し控えるべきと認識しているが、派閥で事実確認がなされている最中で、また、報道によれば派閥の政治資金の取り扱いについては刑事告発がなされ、関連して捜査が行われている。そうしたことを踏まえて、私の政治団体についても精査して適切に対応していきたい」と述べました。

立民 逢坂代表代行 “事実なら職にとどまれないのでは”

衆議院予算委員会の野党側の筆頭理事を務める立憲民主党の逢坂代表代行は記者団に対し「まだ『疑い』だが、事実だとすれば、官房長官の職にとどまっていられないのではないか」と述べました。