有名人も…広がる「フェイク情報」どう見分ける?学校でも対策

有名人も…広がる「フェイク情報」どう見分ける?学校でも対策
いま、世界中で「フェイク(=ウソの)情報」があふれているんだって!

有名人になりすました情報も広がっているけれど、本物と区別がつかなくなってこまるよね。一体どうやって見分ければいいの?

「こどもニュース」探検(たんけん)隊のぼく、ニュースター(10さい)が最前線の現場を調べてきたよ!


(11月30日 ニュースLIVE!ゆう5時で放送)

フェイク情報 あちこちに

みんなはこの動画がインターネットで広まったことを知っているかな。

岸田総理(そうり)大臣の声をまねたニセの動画なんだ。

よく見ると口の動きに不自然なところもあるけれど…本物にそっくりだよね。

こうした情報をチェックして、本物かニセモノかを調べている団体があるから話を聞いてみたよ。
こちらは「フェイク情報」をみやぶるプロフェッショナル、古田大輔(ふるた・だいすけ)さん。

インターネットなどにある情報が本当かどうかを調べてホームページで公開している「日本ファクトチェックセンター」で活動しているよ。
これまで180件(けん)以上を調べたんだって。
古田さん
「日本でも『生成AI』でつくられたニセモノの画像(がぞう)が広がっているよ」
生成AI?それってなんだにゅ?

ここで解説(かいせつ)!

「生成AI」とは、文章や画像などを自動で作ることができる技術(ぎじゅつ)のこと。

キーワードを入れるだけでかんたんに作れてしまうんです。
去年、静岡県であった台風災害(さいがい)のときにも、「生成AI」で作ったニセモノの画像が広まりました。

全部はみやぶれない

まるで本物みたいだにゅ~!でもどうやってみやぶったの?
古田さん
「まずはその画像を調べてみる。災害のときだったら新聞社やテレビ局などが画像を流していたりするんだけど、このときは、どこをさがしても同じ画像が見つからなかったんだよね。だから『もしかしたらこれは作られたものかもしれない』と思って、細かいところを見ていく」
古田さん
「この写真だったら、水面に影(かげ)みたいなものがうつっているのに、陸の部分を見るとそんなに高い木や建物がないよね」
たしかにおかしいにゅ…だから「生成AI」で作ったとわかったんだ!

この調子でニセモノをみやぶってくれると、みんなだまされる心配はないね!
古田さん
「ところが『生成AI』って日々ものすごい速度で進化しているんだよね。一つ一つの情報を人間が調べようとしたら、数時間とか数十時間かかってしまう。人間の目ではもうとても追いつかなくなっているんだよ」
「フェイク情報」を見分けるためには時間がかかって大変なんだにゅ~。

「みんなに教えたい」でも…

ぼくたち一人一人がだまされないためにはどんなことに気をつければいいんだろう…。

手がかりをさがすため、「フェイク情報」との向き合い方を教えている都内の中学校におじゃましたよ。
ここでは「フェイク情報」との向き合い方を学ぶ、新しい授業(じゅぎょう)をしているんだって。
お茶の水女子大学附属中学校教諭 渡邉光輝(わたなべ・こうき)さん
「本当がウソかではなくて、“面白いから”という基準(きじゅん)でフェイク情報が広まっているというのが実態(じったい)なんじゃないかと感じました」
この日のテーマは、熊本地震(じしん)のときに広まった「フェイク情報」。

“ライオンが動物園から逃(に)げた”というインターネットの投稿(とうこう)についてみんなで考えていたよ。
発信した人、広められてこまった人など、それぞれの立場や気持ちになって考えていたにゅ~。
生徒(フェイク情報を広めた人役)
「やばいからみんなに広めないと、という気持ち」
「『フェイク情報』が流れてると知った瞬間の気持ちはどんな感じだった?」
生徒(フェイク情報でこまった動物園で働く人役)
「怒(おこ)っています。動物園に客が来ないなど大きな損害(そんがい)があったと思うので、その分をきちんと払ってほしい」
ほかにも「こわい」とか「家から出ることができない」などの意見も出ていたよ。

「フェイク情報」を流すといろんな人に迷惑(めいわく)がかかることに気づいたんだね。
生徒
「『フェイク情報』を作った人は冗談(じょうだん)まじりだったりすると思うんですけど、そのせいですごくこわい思いをするなど、大きい被害(ひがい)が出ることがあるんだなって思いました」

本物とニセモノ どう見分ける?

次に生徒たちが学んだのは、本物かニセモノかを見分けるためにどこが情報を発しているのかをたしかめることの大切さ。

街にあらわれたクマの画像が本物かどうかを、インターネットで調べていたよ。
渡邉先生
「これは北海道斜里(しゃり)町の実際の風景です。フェイク情報ではありません。『斜里町提供(ていきょう)』って書いてあるでしょ」
さらに、市や町のほか、新聞社や放送局などいくつかの信頼(しんらい)できるところが発している情報なのかをたしかめることも大事なポイントなんだって。

なるほどね~!
最後に情報に対する向き合い方を考えて発表したよ。

こんな意見が上がっていたよ。
・インターネットの情報をそのまま受け取らず、本当かどうかを考える

・事実だとはっきりしていない情報を広めない

・だれが発している情報なのかを必ずたしかめる

生徒
「おどろきとか面白いとか、好奇心(こうきしん)で友達とかに送っていたんですけど、今回の授業を受けて、ウソかどうかをちゃんと確かめて、相手に迷惑をかけないようにしたいと思いました」
みんな熱心に学んでいたにゅ~。

このような「フェイク情報」について学ぶ取り組みは、各地で始まっているみたいだよ。

「子どもとのコミュニケーションも大切」

すごいはやさで広まっている「フェイク情報」を見分けるための心がまえや、子どもがだまされないために大人ができることを、専門家(せんもんか)に聞いたよ。
「フェイク情報」はどれくらいのはやさで広まるの?
国際大学 グローバル・コミュニケーション・センター准教授 山口真一(やまぐち・しんいち)さん
「事実のニュースの、なんと6倍も、はやいと言うことがわかっているよ」
6倍!なんでそんなにはやいにゅ?
山口准教授
「まず、目新しいものが多いからだね。また、怒(いか)りや不安といった気持ちをあおる情報がとても多いよ。そして、面白いものやネタで広めたくなるものも多いからだね。まず大切なのは、自分もだまされるかもしれないと思っておくことなんだ」
子どもが「フェイク情報」を信じないようにするために、大人はどう気をつけたらいいの?
山口准教授
「子どもとよくコミュニケーションしていくことが大切だよ。子どもがある日『こんな情報があったよ』と『フェイク情報』を言ってくるかもしれない。それに対してていねいに説明して、訂正する(=正しく直す)。そういったことがとても大切なんだ」
日ごろからのコミュニケーションが大事なんだね!

情報を正しく見分けられるように、みんなも一緒に注意していこうにゅ~。
ここからはおさらいクイズだよ。ぜひチャレンジしてみてね!

動画はこちらから

(11月30日 ニュースLIVE!ゆう5時で放送)