社会

太宰治ゆかりの「こ線橋」 閉鎖を前に大勢のファン 東京 三鷹

「人間失格」などの作品で知られる作家の太宰治が好んで訪れた東京 三鷹市のJR中央線のこ線橋が10日で閉鎖されることになり、別れを惜しむ大勢の太宰ファンや地元の人たちなどが訪れています。

JR三鷹駅から300メートルほど西側にあるこのこ線橋は、94年前の昭和4年、1929年に当時の鉄道省が建設しました。

ほぼ当時の姿のままで残され、南北をつなぐ生活道路として多くの地元の人たちが利用してきたほか、行き交う電車や車両基地の様子を上から展望できるため、乗り物好きの子どもを連れた人や鉄道ファンなどにも人気のスポットとなっています。

また、三鷹市で晩年を過ごした作家の太宰治がたびたび訪れ、橋の上から臨んだ景色が小説に登場するなどゆかりの場所としても知られていて、太宰が橋の上でたたずむ姿や階段を下りる様子が写真に収められています。

市内には20年ほど前まで太宰が通った飲食店や酒店が複数ありましたが、いずれも今は残っておらず、当時のまま残された最後のゆかりの場所でした。

老朽化が進むこ線橋について、JR東日本は安全確保の観点からおととし撤去することを決めていましたが、今月中にも作業を始めることになり、10日を最後に閉鎖されることになっています。

閉鎖が決まったことを受けて、こ線橋には太宰ファンや鉄道ファン、地元の人たちが大勢訪れるようになり、閉鎖を2日後に控えた平日の8日も次々と訪れていました。

閉鎖を惜しむ声を受けて三鷹市は、太宰が写真を撮った階段の一部を保存するほか、今月15日から3日間特別に渡り納めのイベントを行うことにしています。

こ線橋を訪れた人は

太宰ゆかりのこ線橋には、平日の8日も多くの人が訪れていました。

犬を連れていた三鷹市の60代の男性は「毎日散歩にきていたので、なくなってしまうのは寂しいです。景色がよく電車も見られるので、いつも1、2時間は滞在しています。太宰治のゆかりもあり、この橋は三鷹市のシンボルです」と話していました。

60代の女性は「孫が小さいときから通っていて、週に1回は電車を見に来ています。ここを通る電車は警笛を鳴らすことが多く、喜ぶ人は多いと思います。この橋のように上から電車を見られるところは少ないので、なくなってしまうのが本当に寂しいです」と話していました。

また、所沢市から訪れた70代の男性は「太宰治のゆかりの地と聞き、橋がなくなってしまう前に行きたいと思っていました。かなり古くなっているのも見てわかったので、取り壊しはやむをえないと思います」と話していました。

また、小金井市から訪れた60代の男性は「小学生のとき、よくこの橋を渡っていました。近くの人にとっては当たり前に使っていたものですが、きょうは橋がなくなると聞いて撤去される前に見ておこうと写真を撮りにきました」と話していました。

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