第一生命HD 来年ベネフィット・ワンにTOB 完全子会社化の方針

第一生命ホールディングスは、企業向けの福利厚生事業を手がける「ベネフィット・ワン」に対して、TOB=株式の公開買い付けを行ったうえで、将来的に完全子会社化する方針を発表しました。「ベネフィット・ワン」に対しては、医療情報サイトの運営会社がすでに買収する方針を示し、TOBの手続きを進めていますが、これに対抗する形です。

発表によりますと、第一生命ホールディングスは、パソナグループで企業向けの福利厚生事業を手がける「ベネフィット・ワン」に対し、来年1月中旬をめどにTOBを始める方針です。

「ベネフィット・ワン」に対しては、医療情報サイトの運営会社「エムスリー」が、すでに買収する方針を表明し、TOBの手続きを進めていますが、第一生命ホールディングスは、1株当たりの企業価値を「エムスリー」の1600円より高い1800円と算定して、これに対抗することにしています。

TOBによって、まず49%の株式を取得し、その後、パソナグループが保有する51%の株式を得て、完全子会社化する方針です。

人口減少で国内の保険市場の縮小が見込まれる中、900万人を超える利用者を持つベネフィット・ワンを買収して、顧客基盤を拡大したいねらいがあります。

保険業界では、日本生命が11月に、介護事業最大手のニチイ学館の親会社を、およそ2100億円で買収すると発表するなど、異業種に参入する動きが相次いでいます。