中国「反スパイ法」気象データ把握も取締り対象 警戒感強まる

中国でスパイを取り締まる当局は、改正「反スパイ法」をめぐり中国国内の気象データを外国企業が把握することまでも取締りの対象になるという見方を示しました。当局は、この法律は「外国企業の合法的な経営にいかなる影響も及ぼさない」としていますが、外国企業の警戒感はかえって強まっています。

中国でスパイの取締りなどを行う国家安全省は、7日までの2日間、中国のSNS上で、ことし7月に施行された改正「反スパイ法」の取締りのケースなどを説明しました。

この中では「近頃、全国各地の数百の気象観測地点で、気象データが違法に海外に提供されているのを発見し、直ちに対処した」として外国企業が中国国内の気象データを把握することまでも取締りの対象になるという見方を示しました。

一方で「外国企業の中国における合法的な投資や経営にはいかなる影響も及ぼさない」と強調し、法の執行にあたっては当局の権限が明確に規定され「恣意(しい)的な拘束はない」などと繰り返し主張しています。

外国企業の懸念を払拭(ふっしょく)し減少傾向にある投資の呼び込みにつなげたいねらいがあるとみられますが、スパイ行為の定義があいまいなまま拡大された形で外国企業の警戒感はかえって強まっています。