岸田首相 「宏池会」を首相など務める間は離脱の意向固める

岸田総理大臣は、みずからが会長を務める岸田派「宏池会」を、総理大臣と自民党総裁の間は離脱する意向を固めました。

自民党の派閥の政治資金をめぐる問題を受けて、岸田総理大臣は6日、「党としても強い危機感を持たなければならない」と述べ、各派閥の政治資金パーティーなどを当面自粛するよう指示しました。

こうした中、関係者によりますと、岸田総理大臣は、みずからが会長を務める岸田派「宏池会」を、総理大臣と自民党総裁の間は離脱する意向を固めました。

岸田総理大臣が総理大臣就任後も派閥の会長を続けていることをめぐり、与野党双方からは公平性の観点からも派閥から距離を置くべきだという指摘が出ていましたが、岸田総理大臣は、指摘はあたらないとの考えを示してきました。

今回、派閥を離脱する意向を固めた背景には、政治資金をめぐる問題を踏まえ、より中立的な立場で対応する姿勢を示すねらいがあるものとみられます。

自民 岸田派の定例会合 首相の派閥離脱に言及せず

岸田総理大臣が離脱する意向を固めた自民党岸田派は7日午後、国会近くにある事務所で定例の会合を開きました。

冒頭、座長を務める林前外務大臣は「あす衆参両院で予算委員会の集中審議が予定されているので、総裁派閥としてしっかり岸田総理大臣を支え、一致団結して頑張っていきたい」と述べました。

岸田総理大臣が派閥を離脱するかどうかについては言及しませんでした。

会合の後、林氏は記者団から「岸田総理大臣は派閥を離脱するのか」と問われたのに対し「特にコメントはない」と述べました。

また、事務総長を務める根本元厚生労働大臣は「岸田総理大臣本人が決断することだ」と述べました。

松野官房長官 “安倍派への所属 回答控たい”

松野官房長官は午後の記者会見で、自身は安倍派への所属を続けるのか問われ「政府の立場として答えており、私の議員活動に関することについて答えることは控えたい」と述べました。

維新 馬場代表「遅きに失した」

日本維新の会の馬場代表は記者会見で「岸田総理大臣が派閥を離脱するのは、遅きに失したが、立場上、当然のことだ。疑念を生むようなパーティーをする派閥なら、パーティーの自粛を求めるのではなく、自民党総裁として派閥の解散命令を出すくらい思い切ったことをしたほうが、より効果があるのではないか」と述べました。

共産 志位委員長「首相のやるべきことは全容究明と説明だ」

共産党の志位委員長は記者会見で「岸田総理大臣がやるべきことは、派閥を抜けるなどという話ではなく、自民党総裁として責任を持って全容の調査や究明を行い、国民に説明することだ。政権中枢を直撃する疑惑であり、国会としても自民党の主要派閥の歴代の事務総長を招致し、事実関係を語ってもらうことを求めたい」と述べました。