ICC赤根裁判官 “プーチン氏に逮捕状出す十分な証拠あった”

ウクライナ情勢をめぐり、ロシアのプーチン大統領に戦争犯罪の疑いで逮捕状を出したICC=国際刑事裁判所の赤根智子裁判官が記者団の取材に応じ、プーチン大統領に戦争犯罪の疑いで逮捕状を出すのに十分な証拠があったと強調しました。

オランダのハーグにあるICCはことし3月、ロシアがウクライナの占領地域から子どもたちをロシア側に移送したことをめぐり、国際法上の戦争犯罪の疑いでプーチン大統領など2人に逮捕状を出しました。

ICCの赤根裁判官は6日、ニューヨークの国連本部で記者団の取材に応じ「逮捕状を出すときは逮捕の必要性があるかどうか、事実の裏付けがあるかどうかだけで判断している。これはプーチン大統領だろうがほかの人であろうが、全く変わらない検討過程だ。かなりの証拠がないと逮捕状を出さない。あくまでも実務的に検討した」と述べ、プーチン大統領に戦争犯罪の疑いで逮捕状を出すのに十分な証拠があったと強調しました。

一方、ICCの逮捕状についてロシア政府は強く反発し、ことし7月にはロシアの国営メディアがロシア政府が赤根裁判官を指名手配したと伝えました。

これについて赤根裁判官は「予想はしていた。何があっても中立で職務を全うするだけだ」と述べる一方、身の安全を守るため、外出先での食事や水など口にするものには普段から注意していることも明らかにしました。