米議会上院 ウクライナへの軍事支援含む緊急予算 審議に進めず

アメリカ議会上院では、バイデン政権が求めるウクライナへの軍事支援を含む新たな緊急予算をめぐり、与野党の主張が対立していて、審議を進めるかどうかの採決が行われたものの、否決されました。バイデン政権は、軍事支援のための予算は年内に枯渇するとしていて、アメリカによるウクライナ支援の先行きは不透明感を増しています。

アメリカのバイデン政権は、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの軍事支援の予算について、このままでは年末までに枯渇するという見通しを示しました。

そのうえで連邦議会に対し、ウクライナやイスラエルへの支援など、合わせて1000億ドル以上の緊急予算を承認するよう要請しています。

アメリカ議会上院では6日、与党・民主党が提出した緊急予算案の審議を進めるかどうかの採決が行われ、賛成49、反対51で否決されました。

野党 共和党は、メキシコとの国境管理や移民対策を強化するための予算を増やすよう主張しています。

採決のあと演説した民主党トップのシューマー院内総務は、「共和党側が新たな国境対策を準備していると聞いている。真剣な中身であることを願う」と述べ、国境対策をめぐり、共和党側と調整することはいとわない姿勢を示しました。

ロシアが侵攻を始めた去年2月以降、アメリカはウクライナに対し、442億ドル、およそ6兆5000億円の軍事支援を行ってきましたが、共和党の一部からは支援の継続に消極的な意見が出ています。

侵攻から2年を迎えるのを前に、アメリカによるウクライナ支援の先行きは不透明感を増しています。