国連事務総長 安保理に停戦求めるよう要請 国連憲章99条基づき

パレスチナのガザ地区の情勢をめぐり、国連のグテーレス事務総長は、国連憲章の99条に基づいて、安全保障理事会に対し人道的な停戦を求めるよう要請しました。2017年の就任以来、グテーレス事務総長がこの条項に基づいて安保理に要請を行うのは初めてで、これを受けて安保理では8日に新たな決議案の採決が行われる見通しとなりました。

これは、国連のデュジャリック報道官が6日の定例会見で明らかにしました。

国連憲章の99条では「国連の事務総長は国際社会の平和と安全の維持に脅威となる事項について安全保障理事会に注意を促すことができる」と定められています。

グテーレス事務総長は、安保理の今月の議長国エクアドルに対して書簡を送り、「ガザに安全な場所はない。社会秩序はまもなく完全に崩壊し、限られた人道支援さえも不可能になることが予想される」と訴え、人道的な停戦が必要だと安保理に要請しました。

デュジャリック報道官によりますと、グテーレス事務総長がこの条項に基づいて安保理に要請を行うのは、2017年1月に就任して以来初めてです。

歴代の事務総長でも99条に基づいて要請を行うと明言したケースはほとんどなく、グテーレス事務総長としては一歩踏み込んだ措置をとったものです。

国連の外交筋によりますと、事務総長の要請を受けて国連安保理では8日に緊急会合が開かれることになり、新たな決議案の採決が行われる見通しとなりました。